時事通信が伝えるところでは
「違法行為やめよ」と警告=香港民主派に共産党機関紙
【北京時事】中国が建国65年の国慶節(建国記念日)を迎えた1日、共産党機関紙・人民日報は民主派の街頭行動による香港の混乱について評論を掲載。「違法集会が社会秩序を乱し香港の経済・民生に影響を与えている」と非難し、デモ発起人や参加者に対し早急に一切の違法行為をやめ、社会の安寧と秩序を戻すよう呼び掛けた。評論は「極めて少数の者が法律を無視し、大衆を扇動している」と指摘。「結局は自らその報いを受けることになる」と警告した。:時事ドットコム(2014/10/01-11:47)
とのこと。これは落語のようであり、笑ってしまいますが、中国事情に暗い人なら笑えないでしょうから、私も何か発言しなければならないようです
■中国で「法」とは中国共産党の方針そのもの■
中国人を代表していない、ほんの一握りの共産党員だけからなる中国共産党組織が、国民など無視して、いつでも恣意的に変えることが出来るのが中国の「法」。共産党が三権と軍事を独占支配しているのが中国なので、そんな国の言う「違法」そのものに疑惑が残るのです。独裁国の宿命でしょう。
よって「違法行為をやめよ」には、まるで中国共産党が法律をよく守っている、という風に響く効果があり、自らの非常識な弾圧を棚に上げて、人には法を守るよう要求する、ここが落語的で笑いの対象になるのでした。
別の言い方をするなら、「違法行為をやめよ」とは、「中国共産党の弾圧に逆らうな」ということ(笑)。
- 中国共産党が「違法行為をやめよ」と言う場合、普通のまともな国での「違法行為をやめよ」とはまったく意味が異なります。
- こういうのを専門用語?では「天につばする中国共産党」と言います(笑)。
もちろんこの場合「法」とは、中国共産党が香港の長を選ぶ選挙の立候補の資格を査定・検閲する、という決定のことです。
中国共産党が香港を名実ともに支配し始めたため、香港の民主派はこれに強硬に反対しております。民主派の行動には十分に理があり、このままでは、あまりにも中国人がみじめ。
香港の民主派に助言することなどできませんが、民主派に暴力沙汰を起こさせるように誘導し、これを口実に武力鎮圧しようとする中国共産党にだまされないように、これだけを言っておきます。天安門事件などその極致ですね。
■違法集会が社会秩序を乱し・・・・■
まず中国共産党〔1921- 〕という過激派集団が、中華人民共和国〔1949- 〕を建国したという厳粛な事実を思い出しましょう。
中華人民共和国建国〔1921- 〕は、イスラム国建国〔2014- 〕に似ているのかも知れません。
イスラム国とは、イスラム過激派集団が、シリア・イラク・トルコ国境あたりで今年(2014年)勝手に宣言して建国した国。
この国は、複数の当事国の主権を無視して建国されたものであり、まだどの国からも承認されていませんし、他国のイスラム教徒からさえ「暴力的だ」と非難されていて、国の名前に「イスラム」を使うことにさえ反発があり、現在、周辺国による多国籍軍の協力で米軍が空爆を続けているようです。
香港での「違法集会」とは中国共産党が勝手に決めた方針に異議を唱える「集会」のことで、これは独裁政権としては認められません。政権と異なる意見をもつことは禁じられているのです。これが中国。
宗教〔イスラム教や共産主義〕の信者の中から、過激な人たちが出てきて、本来の教義を死守しようとするあまり、周囲を威嚇したり暴力行動に走るものが、必ずあらわれます。
こういう連中の代表が、暴力を肯定し世界中を敵に回す、イスラム国・中国共産党、などの不法集団。
ですから・・・・
■「香港の違法集会が社会秩序を乱し」■ はまちがっていて
「中国共産党の一党支配が社会秩序を乱し」が正しいことになり、世界の多くの人が香港の民主派の人たちに賛同するゆえんです。
■「極めて少数の者が法律を無視し、大衆を扇動している」■
と指摘したというのも、「極めて少数のもの」が中国共産党そのものであり、半世紀以上にもわたって中国人を代表しないまま独裁政治を続けていることから、「大衆を扇動してきた」のは中国共産党そのものでした。
中国共産党が何を言っても、自分の汚点をネタにして相手を攻撃する未熟な心理が垣間見え、実に見苦しい!
■「結局は自らその報いを受けることになる」■
も、こういう弾圧を続けていると中国共産党にその報いがくる、と自覚しているかのようです。
もしこの「自覚」が正しいとするならば、中国共産党は、香港の民主派に警告しながら、中国共産党の末路を見通している、ことになります。さてこれが正しいかどうかは分りませんが(笑)。
中国内の中国人の中には、
香港人の行動に注目し応援している人もいると思われますが、 もしも中国内で「民主派」とみなされたら、韓国で「親日派」とみなされるのと同様に、国家によって徹底的に弾圧され、拘束・粛正・処刑されることでしょう。
ですから、息をひそめて、なりゆきを見守っています。もちろん情報を遮断され肝心のことを知る手段が限られていますが、わかっている人はわかっているようですよ。
中国人には、
- 国民を武力で弾圧する中国共産党のいいなりになっている一面〔独裁者の圧制下で暴動を起こすのが好き〕
- この暴政を「個人の利益追求」で忘れようとする一面〔個人利益追求型〕
- さらには、この悪質な中国共産党さえ利用して利益をあげようとする狡猾な人たちもいるという一面〔独裁者をもだまそうとする心意気?〕
などがあるようです。多面的ですな。
仮にですが、中国共産党が崩壊したとしたら、
多くの中国人は、「ほら、みたことか、私が言った通りだ」と、まるで、ずっと中国共産党を認めていなかったかのように表明することでしょう。ここが中国人らしいところです(笑)。
くれぐれも「違法行為をやめよ」という中国共産党の声明から、香港人が「違法なことをしている」と決めつけないでほしいもの。香港の民主派は、中国共産党の存在そのものに疑義を感じ、国の成り立ちそのものに疑惑をもっているのです。
香港の民主派が違法行為をしている、のではなく、中国共産党が違法行為をしている、のでした(大笑)。
いくら香港の民主派が集会をしようとも、それでも静かに、ゆっくりと、わからないように、じょじょに、中国共産党は香港の支配を狙い続けることでしょう。
最後のまとめとしては、冒頭に引用した時事通信の「共産党談話」は、香港の民主派のことではなく、中国共産党の恥部について述べたものだった、のでした(大笑)。