トルコで起った政変は膠着状態が続いているようで、ロイターも1分間隔で、異なる状況を伝えています。
大事なところなので、全文を引用します。
トルコに戒厳令・外出禁止令、国営テレビが軍声明伝える
[イスタンブール 16日 ロイター] - トルコ全土で戒厳令が敷かれ、外出禁止令も出された。国営テレビTRTのアナウンサーが15日、軍の命令を受け声明を読み上げた。
アナウンサーによると、トルコは現在、「平和評議会(peace council)」が掌握、公共の秩序が損なわれる事態は認めないという。
また、民主的、世俗的な法の支配が、現政権下で後退したとし、新憲法制定に向けた準備が間もなく行われるとした。:ロイター2016年07月16日 12:42 JST
クーデター派が、トルコ全土に戒厳令・外出禁止令を出し、占拠したテレビ局から「公共の秩序を損なう事態を認めない」と放送させたもようです。
ところが1分直後には、次のように報道しています。
トルコ軍一部集団が政権転覆計画、首相平静呼び掛け
[イスタンブール 15日 ロイター] - トルコのユルドゥルム首相は15日、軍の一部集団が政権転覆を図ったと明らかにした。治安部隊を動員し、必要な措置を講じるとした。
コメントが民間放送で報じられた。「一部の者らが指揮系統を逸脱し、違法な行動を起こした」と述べた。:ロイター 2016年07月16日12:43 JST
国営テレビを占拠された政府側は、民間放送で「軍部の一部が政権転覆を企てた」と述べたらしい。
1分間隔で全く異なる条項を伝えたのは「ロイター社」でした。カナダのウッドブリッジカンパニー傘下の同社が、同時に異なる報道をしていることに、何らかの意味があろうかと思います。
以下の通り、4ヶ月前にアメリカ政府は、一部のアメリカ人へトルコから出国するよう命じています。
米政府、トルコ在住外交官・軍人家族に出国命令
【イスタンブール(トルコ)】米政府はトルコに居住している一部の米外交官と軍人の家族数百人に対し、治安上の懸念が高まったとしてトルコから出国するよう命じた。:米WallStreetJournal日本語版 2016年3月30日 08:24 JST
アメリカ政府が、一部とはいえアメリカ人にトルコ出国を命じているとはどういう意味か。皆様がご判断ください。
こんな報道もあります。
「トルコ万歳」叫ぶ・軍隊の行進曲…在住日本人が証言:朝日新聞 2016年7月16日12時08分
こちらでは、トルコ政府が「首謀者は米国在住のイスラム教指導者でエルドアン大統領の政敵だと示唆している」、と報道しています。
さらに先ほど13:50〔2016/07/16〕のNHKBS1では、12:30ごろの民放テレビでエルドアン大統領が「反乱を鎮圧した」と述べているけれども、各地で爆発音が聞こえる、としています。
発端は7月15日の夜ですから、12時間経過しても事態は混沌としているようです。