♪一番好きな服を着て
♪一番好きな私でいよう
何、この暑さ。
今日は寒くなるって言ってたじゃん。
暑いぜ、おい。
今日はお袋を
入院している病院から
違う病院に外来受診に連れて行く日。
毎回、難儀してるのが
車椅子から車の後部座席への移動。
もう、必死。
抱えたら落とすわけにはいかない。
上手いやり方が思いつかない
あ。
ぐぐってみるか。
三ヶ月ぶりに会うお袋。
病棟から出てきて俺を見つけるなり、大泣き。
「お前が死ぬ夢を見て心配していた」と泣きじゃくる
でも、
「私は長生きするから…」とけろっとした顔で言う。
朝飯食べた?と尋ねると
「食べなかった」との応え。
しばらく話をして、再度
朝飯食べた?と尋ねると
「食べた」との応え。
都度都度の会話は成り立っているのだけれど
尋ねる度に応えが違うので
どれが本当なのかわからない。
どれが本当なのか、話を詰めようとすると、
全然関係の無いことを応えてくる
[字幕] クリストファー・マローニ - The Rose X-Factorオーディション
まあ、どの応えも
いつの応えも、
お袋の中では
真実で
嘘偽りのないことなんだろうなあ。
いつもそうなんだ。
車の中で
会話していると
このまま家に帰って一緒に暮らしても
うまくいくんじゃないかと、考えてしまう
病院なんかにいるのは、俺の間違いで
お袋は家で暮らすべきなんじゃないかと、
俺が間違った選択をしたんじゃないかと
毎回毎回毎回毎回…。
他科受診。
車椅子のお袋と一緒に待合でまつ
お袋が歌を歌い出す。
「すみれの花咲く頃~」
静かだったお袋の様子が次第に変わる。
車椅子の肘掛けをつかみ左右に揺らし
落ち着きがない様子で身体を震わせる。
突然
俺に向かって
「あんた、私は捨てようとしたでしょ?」
「あんた、穴に私を埋めようとしたでしょ?」
ときつい目線で問うてくる。
なんだ?夢でも見たのかと聞くと、夢で見たのだそう。
大腿骨骨折の手術の経過は良好らしい。
左膝の変形膝関節症も、そう悪くはなってないらしい。。
会計を済ませ、元の病院に戻る。
インターホンを鳴らしても
病棟からのお迎えが来ない。
それが原因だったのか
お袋は、泣きわめきだし、病棟の入り口にガラス戸を
車椅子に乗ったまま蹴ろうとする。
お袋が俺の手を握ってくる。
軽いパニック状態だ。
そうこうしているうちに
看護師さんが迎えに出てきてくれて
あっというまにお袋は病棟に入っていった。
振り返りもしないままで。
♪一番好きな私でいよう
何、この暑さ。
今日は寒くなるって言ってたじゃん。
暑いぜ、おい。
今日はお袋を
入院している病院から
違う病院に外来受診に連れて行く日。
毎回、難儀してるのが
車椅子から車の後部座席への移動。
もう、必死。
抱えたら落とすわけにはいかない。
上手いやり方が思いつかない
あ。
ぐぐってみるか。
三ヶ月ぶりに会うお袋。
病棟から出てきて俺を見つけるなり、大泣き。
「お前が死ぬ夢を見て心配していた」と泣きじゃくる
でも、
「私は長生きするから…」とけろっとした顔で言う。
朝飯食べた?と尋ねると
「食べなかった」との応え。
しばらく話をして、再度
朝飯食べた?と尋ねると
「食べた」との応え。
都度都度の会話は成り立っているのだけれど
尋ねる度に応えが違うので
どれが本当なのかわからない。
どれが本当なのか、話を詰めようとすると、
全然関係の無いことを応えてくる
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まあ、どの応えも
いつの応えも、
お袋の中では
真実で
嘘偽りのないことなんだろうなあ。
いつもそうなんだ。
車の中で
会話していると
このまま家に帰って一緒に暮らしても
うまくいくんじゃないかと、考えてしまう
病院なんかにいるのは、俺の間違いで
お袋は家で暮らすべきなんじゃないかと、
俺が間違った選択をしたんじゃないかと
毎回毎回毎回毎回…。
他科受診。
車椅子のお袋と一緒に待合でまつ
お袋が歌を歌い出す。
「すみれの花咲く頃~」
静かだったお袋の様子が次第に変わる。
車椅子の肘掛けをつかみ左右に揺らし
落ち着きがない様子で身体を震わせる。
突然
俺に向かって
「あんた、私は捨てようとしたでしょ?」
「あんた、穴に私を埋めようとしたでしょ?」
ときつい目線で問うてくる。
なんだ?夢でも見たのかと聞くと、夢で見たのだそう。
大腿骨骨折の手術の経過は良好らしい。
左膝の変形膝関節症も、そう悪くはなってないらしい。。
会計を済ませ、元の病院に戻る。
インターホンを鳴らしても
病棟からのお迎えが来ない。
それが原因だったのか
お袋は、泣きわめきだし、病棟の入り口にガラス戸を
車椅子に乗ったまま蹴ろうとする。
お袋が俺の手を握ってくる。
軽いパニック状態だ。
そうこうしているうちに
看護師さんが迎えに出てきてくれて
あっというまにお袋は病棟に入っていった。
振り返りもしないままで。