Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

大戦争ゴジラ(造型)のこだわり その3

2008年08月21日 | 新作商品情報

?「大戦争ゴジラ」第一弾の「スタンダードカラー」。
こちらは彩色サンプルのため、商品とは一部彩色が変更になる場合があります。


■特にこだわった手と足
 今回の『大戦争ゴジラ』の「シェーポーズ」実現のために造型上一番こだわったのは、やはり手と足です。
 まず手ですが、劇中でのゴジラのポーズの際、上げる方の手の先は頭の上ではなく、顔の近くになっています。下ろした方の手はお腹のあたりに位置します。肘を曲げている角度もほぼ直角で、さらに指も内側に向いています。これらは作る上で簡単に思えるかも知れませんが、両手のパターンを実現するためにはちょっと難しい形状になります。
 今までの弊社のゴジラの手の付け根の造型パターンではそれらは実現できません。普通は上げた手を下に降ろすと手の先は腰の位置になるからです。手を上げた時は頭の横に、降ろした時はお腹の真ん中あたりにするためには付け根の部分の角度と、ボディの付け根の部分の角度を調整しなければなりません。さらにはソフビの成型上の抜きの方向も考えると大きいとは言えない手のパーツは、肘の角度のせいで抜きにくく、成型時に穴が空いたり、気泡ができたりしやすくなるのです。これらの成型上可能な限りのギリギリの角度や方向を調整しなければならないのです。さらにはそれでいてちゃんと劇中ゴジラの「シェー!」の時の手に見えなければならないのです。
 原型時には何度も粘土を盛ったり削ったリを繰り返しました。キングギドラの時の羽の位置でも何度もやり直しましたが、今回は間違いなくそれ以上でした。途中「もしかしてこの方法は無理なのかも……」と諦めかけましたが、「いや、絶対できるはず!!」と時間をかけてやっと実現できました。
 足も同様です。手ほど苦労はしませんでしたが、こちらも付け根の角度では何度もやり直しました。
 これらの造型はおそらくGメモリーズセレクションのような「カッコかわいい」をベースにしたディフォルメタイプだからできたものだと思います。リアルタイプの造型でこれをやると着ぐるみスーツのようにならない違和感が目立ち過ぎて、そこだけリアルになりません。簡略の多いディフォルメのレトロタイプだと、手足や胴体がゴジラらしさからは大きく離れてしまい、そこだけ見ると単なる「シェー!」をしている何かの怪獣?という雰囲気になってしまうと思われます。「シェー!」をしていてもちゃんと大戦争ゴジラでなくてはなりませんもの。
 この手足の形状、角度のこだわりをぜひ実物で見て触って感じていただきたいし、いつもの弊社のゴジラとの手足や胴体の付け根との比較もして違いやこだわりも参考にしていただければ、面白みも感じていただけるかと思います。

(2008.9.29更新)
「大戦争ゴジラ スタンダードカラー」は完売致しました。ありがとうございました。