Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

昭和のキングギドラ その1

2012年07月12日 | 羽沢組的怪獣見聞録


1 スチールでのキングギドラ(1)

 7月29・30日の「キングギドラ ライトゴールド」発売を機に、改めて昭和のゴジラシリーズに登場したキングギドラについていくつか調べてみた事を書きます。
 参考になる事があれば幸いです。


スチールで見られた青いキングギドラ
 皆さんご承知の通り、昭和のゴジラ映画に登場したキングギドラは4回(他作品や流用フィルム等は除きます)。
 しかし、4作とも全く同じ造形やカラーリングではありません。意外とこれらを知らないライトなファンも多いようです。
 Gメモリーズセレクションで発売してきた「キングギドラ」は、『三大怪獣 地球最大の決戦』に登場した劇中スーツにこだわってディフォルメして作ったものです。もうすぐ新規カラー「ライトゴールド」を発売させていただくので、良い機会と思い、この4回のキングギドラについて書きたいと思います。

 まずは初代キングギドラ。
 その前にマスコミ向けのスチール写真等で見られた青いキングギドラについて触れましょう。

 最初の企画で全身が青で塗装されていた事はファンの間でも有名です。3本の首の内側は、肌色に近いベージュ、頭の毛はオレンジに近いブラウン、翼は青、白、赤のトリコロールカラーと、劇中でのゴールドのカラーリングとは全く違うものになっています。

 このキングギドラを紹介した写真は、数多くの書籍、ムック本等に掲載されてきました。複数持っている方はお気づきかもしれませんが、掲載されている写真を見比べてみると、青の色味に違いがあります。かなり明るい青だったり、紺に近かったりダークシアンと言える青だったりとまちまちです。発売された時期の本の印刷・製版技術の差もありますが、作品が古いためネガの変色が一番の原因と思われます。それをさらに印刷段階で製版で微調整していますので、それぞれ違う青になってしまっていると考えられます。
 さらにグッズ関係やブロマイド等でもこのスチール写真は使用されていますが、その多くは人工着色されたものも多く、劇場ポスターも例外ではありません。明らかに作った色で重ねられています。中にはボディのみ金色をイメージさせるべく黄色を乗せて着色されたものもあります。
 現存する東宝の写真でもネガが古いので、今では当時の青がどういった青だったのか解明するには困難と言えます。
 どう見ても作品公開時にはまだ生まれていなかったと思われるファンの方が、まるで青いキングギドラを見たかのようにどういう色だったかを自慢げに語られる方が何人かいらっしゃいますが、申し訳ないんですが信じられません。
 どんな色だったのか、実際あのスチールを撮影した時に立ち合った方にお話を聞くのが一番なのかもしれません。が、どなたがいらっしゃったのか不明ですし、多くがすでに引退、もしくは鬼籍に入られたと思われますので、まさに「幻のキングギドラ」と言えるのかもしれません。