7 ガイガンの助っ人キングギドラ
昭和の最後の登場は『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』。頭部だけが完全新規造形で敵側の助っ人として登場しました。
■全く違うと言える顔になったキングギドラ
『怪獣総進撃』で倒されてしまったので、まさかの登場となった4度目のキングギドラ。頭部が新規造形されているのは有名です。
造形的な違いは一目瞭然で、鼻が若干大きくなり、狛犬に近い雰囲気の顔に変えられています。それぞれの角は形状だけではなく、角度が大きく違います。一番大きな2つの角は、これまではどちらかというと上に向いていたのですが、ここでは後ろ向きになっています。眼球も赤から白に変わりました。
頭部以外目立つ違いは翼。形状そのものが悪魔的な形ではなく、ほぼ三角と言えるものに変わっています。全体の羽部分のビニールが、前作のような張りがなく、しわやヨレが目立つ事も特徴です。
ボディそのものは流用である事がわかりますが、ガニ股具合は前作よりはやや抑えられているように感じます。飛行時にはむしろ内股すぎに見えるシーンもいくつか。
全身の金色は前作よりかなり明るくなりました。平成以降のキングギドラも含めても最も明るい色のキングギドラと言えます。そのせいもあるでしょうし、顔の雰囲気や眼球の色等の影響もあってか写真だけて見れば初期の頃に比べて軽いイメージになってしまったと言えるかもしれません。
このキングギドラはさらに改修されて、テレビシリーズ『流星人間ゾーン』にも登場しています。大きな違いはないのですが、部分的に劣化や損傷、ボディのたるみ等が見られて、比較して見るといささか痛々しい感じにも見えます。
たくさんの方が好きな怪獣として挙げる事の多いキングギドラ。造形を中心にいろいろと調べてみると、僭越ながら造形制作の大変さだけではなく、それを生きた怪獣として演じさせる撮影スタッフの大変さも感じます。こういった怪獣は形だけではなく、芝居をさせてこそかっこ良さを感じたり強さをイメージさせたりできるのだと改めて思いました。