2.頭部の違いについて
流用3作の劇中スーツの「メガロゴジラ」「74ゴジラ」「75ゴジラ」の違いについては、以前「見聞録」に書いているので、今日は少しだけ補足です。
▲左から「メガロゴジラ」「74ゴジラ」「75ゴジラ」の頭部パーツ。いずれも原型です。
■前作より雄々しく、ちょっぴり恐くなった顔
これまで何度か書いてきましたが、「メガロゴジラ」(『ゴジラ対メガロ』1973年)は、新規造形の劇中スーツゴジラです。それを一部改修して作られたのが「74ゴジラ」(『ゴジラ対メカゴジラ』1974年)。さらにそれを改修・流用して作られたのが「75ゴジラ」です。
ゴジラ昭和シリーズ後期3作のこの3つのゴジラは、良く似ているし、造形的に誤解されている箇所も多々あります。
これらにつきましては以前「見聞録」(2011年12月10~21日掲載)に、この3つのゴジラの違いも含めて書いておりますので、そちらをご覧下さい。
●「見聞録」その1 ●「見聞録」その2
●「見聞録」その3 ●「見聞録」その4
●「見聞録」その5 ●「見聞録」その6
●「見聞録」その7 ●「見聞録」その8
●「見聞録」その9 ●「見聞録」その10
前作の「74ゴジラ」は愛嬌のある親しみやすい顔のゴジラでした。一転「75ゴジラ」では雄々しく、やや恐い顔になるように新たに頭部パーツを新規造形して、前作のゴジラスーツに付け替えられています。
前作で頭部パーツの損傷が激しかったので変えざるを得なかったのか、前作がかわいすぎたので恐くしたのか、理由は諸説あって書籍等でも明確には記載されていません。
「メガロゴジラ」と「74ゴジラ」はかなり似ているので、違いがわからず同じと誤解されている方が多かったのに対して、「75ゴジラ」ははっきりと違いがわかる造型になっているので、こちらは間違える方は少ないようです。ただ、『メカゴジラの逆襲』公開前のマスコミ用のスチール写真では前作の「74ゴジラ」がそのまま使われているので(その点からすると頭部損傷のために変えられたという説は否定できるでしょう)、そこで混乱されている方はいらっしゃるようです。
今回、こうして「75ゴジラ」を商品化させていただくので、頭部パーツを比べた原型の写真を並べてみました。ディフォルメとはいえ、それぞれの違いや特徴は表現したつもりですので、見比べていただければ幸いです。