3 塗装のこだわり
今回の「初代ゴジラ」は、成型色がブラウンで、ボディへの塗装の基本はメタリック系にしています。
イメージしたポスターで見ると、ボディへの照り返しの光の色はメタリック系には見えません。なのになぜメタリック系にしたのか。
結論から言うとGメモリーズならではのデフォルメだからです。
ゴジラに限らずですが、リアルフィギュアや食玩等、これまで他社さんの商品で炎や光の反射を怪獣のボディに塗装表現しているものは、光は白系、炎はオレンジ系で塗装されているものが多々ありました。
こういった照り返し表現の塗装というのはある一定方向から見ると実に“らしく”見えるしカッコいいのですが、別の方向から見ると違和感を加持感じさせてしまう場合があります。中にはもちろん上手く計算されて他角度から見ても違和感のないように上手く表現されているものもありますが、それは造形がリアルだからです。
これをレトロタイプに代表されるデフォルメタイプで行うと、そうはいきません。違和感が余計目立って、一方方向からしか見たくなくなります。
特にGメモリーズセレクション商品は、飾るだけではなく「触って遊んでナンボ」と思っていますので、全方向から見ても違和感なく表現できないかと考え、メタリック系にしました。フラットにスプレーする部分と濃いめに塗る部分、各部分に強弱をつけてのスプレーワークで表現。メタリックなので、フラット部分がより効果を増してその違和感を解消できると判断しました。
表側から反射している光の表現の色は、シルバーを中心に複数の色を調合してフラットにスプレーしています。
背びれの先端や後ろからの炎の照り返しはメタリックオレンジを濃淡の微妙に違う複数の色を強弱つけてスプレーしています。
ゴジラは黒、もしくはダークグレーが基本となりますし、今回イメージしているポスターで使用されている写真の元はモノクロです。なので成型色も黒系と最初は考えていましたが、それにするとよくある他社さんのレトロタイプの配色みたいで、逆にポスターカラーのイメージから外れてマルブル系の配色に見えてしまいます。ポスターで見られるレトロ感は全くなくなるのです。
ボディにスプレーした各メタリック系の色をより効果的に見せるためにブラウンをチョイスしました。よりレトロ感を出すためにノーマルなブラウンではなく、ややくすんだ感じの茶色となります。
成型色も含めた色の配色をぜひ実際の商品で確かめていただければ嬉しく思います。
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