2 「Ver.2」のボディの色
■シンプルなダークシアンをイメージ
Gメモリーズセレクションのゴジラたちは、映像や現存する写真からインスパイアされる色をテーマにする事が多々あります。実際の着ぐるみスーツの色というよりは、映像のシーンで観られる、ライティングの影響だったり噴煙や埃にまみれていたりしている時の色の方を重視する事が多いのです。とはいえ、汚れたり傷つく前の最低限のスーツの色(ボディ全体から背びれやツメ等の細部まで)を把握していないとアレンジの参考になりません。幸い、書籍やイベント等でゴジラの仕事が多々ある弊社なので写真データとしては各ゴジラとも豊富にあります。
それでも気になる所は書籍等でも参考にする時があります。「ビオゴジ」「ギドゴジ」などは、生前、川北紘一監督に雑談の中でたくさん教えていただいたり、アドバイスをしていただいたりしていたのでそれも大いに参考になっています。
実際の平成ゴジラは、いずれも基本的にシンプルな黒だと教えていただいてました。しかし、映像で観られる色を重視するため、真っ黒を成型色として色を重ねると「カッコかわいく」から外れてリアルになってしまいます。なので今回のような「スタンダードカラー」のような配色の際はダークグレーにしているのです。この色はGメモリーズでは頻繁に使用していますが、随分前に弊社がお願いして調合していただいた独自の色で他では使用されていない色です(「ハザワゴジラダークグリーン」という色名なのです)。
前回の「スタンダードカラー(Ver.1)」同様に、今回も成型色はこのダークグレーにしています。
今回の「Ver.2」は、基本的にいつもよりは色数を減らしてできるだけシンプルに配色しようと思いました。オーソドックスな「ビオゴジ」フィギュアの色のイメージですので。凝りすぎてもリアルになるだけですから。
ボディにスプレーした色は、前回(Ver.1)はやや赤みのあるダークグレーにしたのですが、今回はほんのちょっぴりのグリーンの入ったライトブルーを少しだけ混ぜたダークグレーで全体にスプレーしています。近い色を重ねるのではなく、スプレーの強弱で濃淡を出し、成型色のダークグレーも部分的に残しつつ塗装しました。全身がやや暗めのシアンブルーに見えるようにという意図です。
他社の過去の商品と近い色のものもありますが、多少はスーツのイメージも残しつつも、他で見られる「ビオゴジ」とはまたちょっと違った青系のゴジラになっているかと思います。
TM&(C)TOHO CO., LTD.