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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

メカゴジラ ライトシルバー制作裏話3

2014年02月05日 | 制作裏話


3.印刷レベルとメカゴジラ



昔の写真を印刷するという事は……
 今日はちょっと脱線になりますが、印刷の話。

 メカゴジラに限らずですが、昭和の頃の東宝怪獣を紹介、掲載している印刷物では、なかなか実際のスーツの色を再現しているものはそう多くはないと考えています。
 東宝や関係者、一部出版関係の方々が所有しているポジやネガも当然、劣化はあるので、今またそれを元に印刷をしてもさらに本物から遠ざかる色になってしまいます。メカゴジラのようにメタリックな配色のものや微妙な色のものはなおさらでしょう。
 現在、印刷の技術やレベルは日々進歩しています。ほとんどの出版物はデジタル化していますし、そのためのソフトもどんどん新しいものに変わっています。昔のポジやネガでも一旦スキャンしてデジタル化して加工するわけです。当然古いものでもこれらの技術やソフトを利用して当時の色の再現を目指すわけです。しかし、その基準は担当する人間の判断です。どこまでその担当者が当時の色を知っているか、そしてそれをできるのかが大きなウエイトを占める事となります。
 身近な例を上げるとすれば、ムック「平成ゴジラ」「ガンヘッド」「平成ガメラ」と言った各パーフェクションの場合、シーンのビジュアル写真の全ては、いずれも古いので全て当時の色を目指してクリーニング、画像処理などの加工をしています。中にはかなりいじったものもあります。これはDVDなどを見て近い色を探したりするのですが、結局はすべて担当した私の判断な訳です。私の記憶も大いに左右されたことは否定できません。
 映像物も同様で、フィルムやビデオなども時間とともに変色は避けられません。のちにデジタル化してDVDやブルーレイとなる際も、商品化する上で技術者は当時の色の再現を目指してのものだと思われますが、結局基準は人間レベルの判断となります。

『ゴジラ×メカゴジラ』(2002年)も気がつけば新しい作品とは言えませんが、関連の印刷物では(初代)メカゴジラに近い色のキャラクターである「機龍」はちゃんとシルバーに見えます。これはもう時代の違いによる印刷レベルの差という事は言うまでもないのです。
 1974年の印刷レベルがもっと進歩していたら、またはメカゴジラの初登場が近年だったら……メカゴジラのシルバーの印象は違っていたかもしれませんね。

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