造形のこだわり Part.6
背びれや細部の造形について
■「ファイナルゴジラ」の背びれの特徴
姿勢にこだわった今回の「ファイナルゴジラ」ですが、そのため背びれの造形もいつもとは作り方を変えています。
前にも書きましたが、これまでのゴジラに比べて「ファイナルゴジラ」の背びれはやや小さめに作られています。劇中スーツはボディ全体がスリムに作られているため、いつもぐらいの大きさに作ってしまうと、背びれが目立ち過ぎて身体が余計小さく見えてしまうからなのではないかと勝手に推測しています。
そして、その背びれひとつひとつがやや細みで背中についている間隔も隙間があるゴジラです。
これまで作ってきたGメモリーズのゴジラの背びれは、カッコかわいく見せるために、実際の劇中スーツに比べて比率としては大きめに背びれを造型してきました。そしてディフォルメによる狭くなってしまう背中なので、ひとつひとつの背びれをつなげるアレンジをして造型しています。成型の抜きのためとワックス原型の制作行程のためのアレンジをしなければならない部分を除けば、できるだけひとつひとつ背びれの形(突起の数やその方向、角度等)はほぼ忠実に作ってきました。
今回の「ファイナルゴジラ」は細い上に背中についている部分の隙間があります。ですから3列ある背びれのうちの中央列のものは今回はつなげないで作ってみました。Gメモリーズセレクションのゴジラの中では初めてのことです。さらにその中央列の背びれは、いつもぐらいの大きさにしています。やはり、ゴジラの背びれは大きい方がカッコいいですし、Gメモリーズのディフォルメでこそできるディフォルメアレンジなのだと思います。
また、左右の列の背びれは、劇中スーツでは斜めに配置されています。これも表現しましたが、その角度は劇中スーツよりもやや外側に傾けました。斜めから商品を見ていただく時に、しっかり背びれが見えるようにしたいがためです。やはりその方がゴジラらしいし、カッコよく見えます。
■その他の細部について
他にも細かくいろいろこだわった所はあるので、簡単に。
劇中スーツの尻尾は、いつもと同じぐらい長く作られていますが、それまでのゴジラに比べて先に行くに従ってかなり細めに作られています。ボディサイズに合わせたためだと思います。そのためいつもより長く感じさせています。
弊社商品ではいつもぐらいの長さにしたいのですが、いつもの作り方で先の方を細く作ると、全体のディフォルメバランスのために逆に短く感じさせてしまいます。
ですから、そう見えないようにいつもに比べてしっかりとS字になるようにする事で、ある程度の長さを感じていただけるようにしました。
そして尻尾の裏側のモールド。今までのゴジラにない模様、突起になっています。意外に知らない方が多いかも。
手足のツメのひとつひとつの形や形状、角度も何度も映像を満て確認して作りました。
細かく言ったらキリがないのでこのぐらいにしますが、後はぜひ商品を実際にご覧いただいてご確認下さい。
今回は全体的にいつもとはちょっぴりこだわり方も違うのですが、こだわりが多い分、思い入れもたっぷり込めて造型したゴジラです。その諸々のこだわりを感じて楽しんでいただければ幸いです。
(2011.1.8更新)
「ファイナルゴジラ ブラックバージョン」は完売致しました。ありがとうございました。