Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

初代ゴジラ ポスターカラーバージョンのこだわり3

2015年02月04日 | 新作商品情報




3 塗装のこだわり

 今回の「初代ゴジラ」は、成型色がブラウンで、ボディへの塗装の基本はメタリック系にしています。

 イメージしたポスターで見ると、ボディへの照り返しの光の色はメタリック系には見えません。なのになぜメタリック系にしたのか。
 結論から言うとGメモリーズならではのデフォルメだからです。

 ゴジラに限らずですが、リアルフィギュアや食玩等、これまで他社さんの商品で炎や光の反射を怪獣のボディに塗装表現しているものは、光は白系、炎はオレンジ系で塗装されているものが多々ありました。
 こういった照り返し表現の塗装というのはある一定方向から見ると実に“らしく”見えるしカッコいいのですが、別の方向から見ると違和感を加持感じさせてしまう場合があります。中にはもちろん上手く計算されて他角度から見ても違和感のないように上手く表現されているものもありますが、それは造形がリアルだからです。
 これをレトロタイプに代表されるデフォルメタイプで行うと、そうはいきません。違和感が余計目立って、一方方向からしか見たくなくなります。
 特にGメモリーズセレクション商品は、飾るだけではなく「触って遊んでナンボ」と思っていますので、全方向から見ても違和感なく表現できないかと考え、メタリック系にしました。フラットにスプレーする部分と濃いめに塗る部分、各部分に強弱をつけてのスプレーワークで表現。メタリックなので、フラット部分がより効果を増してその違和感を解消できると判断しました。

 表側から反射している光の表現の色は、シルバーを中心に複数の色を調合してフラットにスプレーしています。
 背びれの先端や後ろからの炎の照り返しはメタリックオレンジを濃淡の微妙に違う複数の色を強弱つけてスプレーしています。

 ゴジラは黒、もしくはダークグレーが基本となりますし、今回イメージしているポスターで使用されている写真の元はモノクロです。なので成型色も黒系と最初は考えていましたが、それにするとよくある他社さんのレトロタイプの配色みたいで、逆にポスターカラーのイメージから外れてマルブル系の配色に見えてしまいます。ポスターで見られるレトロ感は全くなくなるのです。
 ボディにスプレーした各メタリック系の色をより効果的に見せるためにブラウンをチョイスしました。よりレトロ感を出すためにノーマルなブラウンではなく、ややくすんだ感じの茶色となります。
 成型色も含めた色の配色をぜひ実際の商品で確かめていただければ嬉しく思います。

TM&(C)TOHO CO.,LTD.

初代ゴジラ ポスターカラーバージョンのこだわり2

2015年02月03日 | 新作商品情報




2 2次元の配色を立体物に

 今回の商品はその名の通り『ゴジラ』(1954年)のポスターで見られるゴジラの配色をイメージしたものです。
 皆さんご承知の通り、『ゴジラ』(1954年)には複数のポスターがありますが、一番多く知られているものを基本にしました。イメージした画像は先日掲載していますのでそちらをご覧下さい。
 これ以外のポスターでも、ゴジラには前からは青白い感じの光が当てられ、後ろからは炎の照り返しをイメージしたオレンジの着色がされているものがありますから、これらもイメージの一つとして商品配色の最は参考にしています。

 2次元で配色されたものを立体物として表現するのは容易ではありません。見る角度で違うわけですから、その辺はあくまでイメージとしてとらえていただければと思います。「基本的に全面から青白い光が当てられ、背後からは炎の照り返し」。これを基本として考えて配色を決めました。
 光が当たっているように見える……というのはイメージではありますが、「物理的にこの角度でこの色を当てたらこうはならない」というのは重々承知の上で、あくまでポスターの中の色というのを重視しています。
 これらを意識しながら立体の配色としても成立させなくてはなりませんので、その辺のバランスが難しいところでした。
 Gメモリーズセレクションの中でも、こういったテーマでの配色は初めてでしたし、他社さんの初ゴジフィギュアでもこういう配色はなかったと思うので、珍しい「初代ゴジラ」になったと思います。

TM&(C)TOHO CO.,LTD.

初代ゴジラ ポスターカラーバージョンのこだわり1

2015年02月02日 | 新作商品情報


今日から2月9日発売(2月8日ワンフェス先行発売)の「初代ゴジラ ポスターカラーバージョン」の詳細、こだわったところについて書きます。購入の際の参考にしていただければ幸いです。



1 当時のポスターの印刷に見るゴジラ

 言うまでもなく『ゴジラ』(1954年)はモノクロ作品です。ですので映像で見られるゴジラはカラーではありません。素材としてカラーであるものは宣材類だけとなります。
 が、その宣材の印刷物の全ては、モノクロで撮られた写真・スチールに印刷の段階で人工的に着色されたものであり、厳密に「実物」のカラーの色ではありません。たくさん調べたわけではありませんが、大衆娯楽作品、時代劇、戦争もの……当時の日本映画のポスターはほとんどこの手法で作られているようです。
 当時は今のようなデジタルでの印刷データの形式ではありません。長年、印刷では(今でも)CMYKの4色という印刷インクの調合比を変える事で作られていますが、当時はまだCMYの三色掛け合わせが主流。製版の段階で色を付けたい部分にそれを指定するわけです。もちろん今ほど製版技術も進歩していないわけですから、線数(網点の細かさ)もかなり低いのです。
 そう言った時代に作られているゴジラの宣材。今、我々ゴジラファンから見れば見慣れた古い当時のポスターなどのデザインではありますが、複数ある映画『ゴジラ』ポスター1つを見るだけでも、実は当時としては力を入れて作っているのがわかります。
 コラージュのための切り抜き、CMYの複数の組み合わせで見られるいくつもの細かな部分への製版の着色指定など……。炎や戦闘機(セイバー?)などはイラストにさらに着色加工されているものです。当時の他の映画のポスターに比べれば、実に手間のかかったデザインである事がわかります。
 それはゴジラの部分だけをみてもわかります。前からは青白い感じの光が当てられ、後ろからは炎の照り返しをイメージしたオレンジの着色がされています。色の乗せ具合が当時としては大変だったと思われるほど微妙で細かいのです。通常のインクの着色部分と乗算(複数の色を重ねて着色)部分のバランスも計算されていただろう事も推測されます。
 社運をかけたと言われるだけに、東宝が力を入れた作品だったのだろう事はポスターの製版レベルを見るだけでもわかるのです。

 この2次元で作られた色を、立体物……Gメモリーズの「初代ゴジラ」で実現できないか……。フィギュアメーカーとしてというよりは、多くの印刷物に接する事が日常である弊社、グラフィックデザイナー心を実にくすぐるのです。

TM&(C)TOHO CO.,LTD.

Gメモリーズセレクション9周年!!

2015年02月01日 | 代表羽沢のG雑感
おかげさまで9周年!!
これからもGメモリーズセレクションをよろしく!!

弊社がソフビシリーズ・Gメモリーズセレクションをスタートさせてから9年を迎えました。これからもよろしくお願いします。

 弊社クリエイティブデザイン羽沢組は、デザイン会社として業務を行っておりましたが、それとは別に「カッコかわいいゴジラのソフビを作って売りたい!!」と思い、フィギュアの制作・販売業務をスタートさせたのが10年前です。
 腕試しの意味もあったのですが、まずはガレージキットで「初ゴジ」と「モスゴジ」を作り、「ディフォルメGコレクション」として発売しました。そのノウハウを活かして翌年に始めたのがGメモリーズセレクションです。

 最初に発売した「キンゴジ」から9年が経ちました。
 当時、レトロタイプというカテゴリーではありますが、ゴジラや東宝怪獣を作られて販売しているメーカーさんは今より多かったと思いますし、そのバリエーションも今よりずっと多く販売されていました。ですからゴジラを作る後発メーカーとしては、いつまで続けようという目標を掲げたわけではありませんが、10年も続けられれば上等だろうぐらいの感覚はありました。
 デザイン業務と平行しての業務ですから、年間たくさんの種類、たくさんの販売個数をリリースしているわけではありませんが、続けられている事に幸せを感じます。
 仕事ですから、どの商品も収益を出してこそ次に続けられます。それはお求めいただいている皆さんがいてこそです。何よりもそこに感謝しなければならないと、あらためて身を引き締める思いです。
 本当にありがとうございます。

 近年、デザインや編集業務でもゴジラや特撮関連のお仕事をいただけるようになりました。そのきっかけ、ルーツをたどっていくと「Gメモリーズセレクションを始めてから」と「川北監督」に繋がっています。感謝の気持ちと初心を忘れない事を肝に命じ、これからもがんばりたいと思っています。

 中には弊社がソフビを作って販売する事を「副業」や「趣味の延長」とおっしゃる方は今でもいます。スタート時から一度も弊社はそのような事は思っていません。デザイン業務同様に「本業」の一つだと考えています。
 確かに少数で作っていますし、1体1体手塗りですから、大きい規模の展開はできません。それでもこの9年、いつでも本気で「カッコかわいい」ゴジラたちに向かってきました。
 10年目に突入するわけですが、今年もリリース数はマイペースになるだろう中で、これからも本気で皆さんに楽しんでいただける「カッコかわいい」ゴジラたちを作っていきたいと思います。
 今後ともよろしくお願い致します。

これからもガチンコだよっっ!!