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土と内臓-1

2020年06月02日 | 農業日誌(無農薬)

▲Amazon


300ページを超えるこの著作は
専門的な知識がなくとも
あっさりと読めるユニークな内容です。
農業や食に関心のある方には
特におすすめできる一冊です。
出版社のコメントを抜粋しました。


「土壌の生産力から、人体の免疫系まで、微生物の群集が動かしていることを、ここ20年の生物学は明らかにしてきました。
しかし、医学も、農学も、微生物の有益な面を理解して伸ばすのではなく、殺すことを基準にしたままです。
これまでの1世紀に渡る病原体との戦いを考えれば、致し方ないことかもしれませんが
地平線に沈む太陽を見ながら地動説を受け入れるのに大変な抵抗があったように
生物界が、人間の肉眼では見えない微生物によって成り立っていることを理解するのには、大きな摩擦があるでしょう。
本書は、その摩擦を減らす潤滑油のような作品です。」



農業において
雑草や虫は有害なものとして
排除の対象になっていますが
それこそが実は人間にとって
もっとも必要なモノであることを
この著書で知ることができます。
まさに
「虫が地球を守っている!」
のナウシカの台詞が胸に刺さります。


▲カテゴリー「赤峰勝人さん」



さて
このブログ内では
農地の虫は「神虫」とよぶ
赤峰勝人さんの農法を学ぶ
「なずなの会」のことを
何度か紹介してきました。
赤峰さんは実際の経験から
虫くい野菜の危険性を指摘されています。
いわゆる「赤峰農法」を実践する団体として
「広島なずなの会」が立ち上がり
すでに10年以上になります。
独自で農地を所有し日々、実践されています。


ところで
『土と内臓』に関していうと
具体的な実践に繋がるような提言は
見当たりませんが
土壌微生物の活性化と
ヒトの内臓(特に大腸)微生物の活性化の
重要性については詳細な記述があります。


たとえば
近年話題になっている
「糞便微生物移殖(FMT)」は
実験データや今後の展開についての章で
健康な提供者から採取した便を
致命的な下痢に罹患した者の肛門から注入すると
症状が急速に回復したという実践例があり
病状はもとよりダイエットや体質改善の
効果もあることを克明にうたっています。



▲便微生物移殖



つまり
微生物が人体で担っている役割も
土壌内で担っている役割も等しく重要なもので
微生物の活性化とバランスこそが
健康への入口になるという結論を
導き出しています。
人体でいうと
食事を変えること。
農地では
肥料や農薬の使い方を工夫することが
喫緊の課題であることが分かります。


市販の農作物の多くは
見た目はしっかりとして
色艶が良いものもありますが
成分を分析してみると
ミネラル分などの栄養素が極めて少ないという
分析結果になります。
従って
それを食べている我々も
当然ミネラル不足に陥ってしまうわけで
サプリメントでそれを補う食生活は
理に適った行為になっているものの
正確な情報が届けられているかは
疑問が残るところです。


しかし
そもそも食事から栄養源が補給できない
という現在の環境にこそ問題があるわけで
個々人の知識や努力に頼っていると
未来への展望が見えてきません。
難しい栄養学やこだわった食事に頼らず
もっと楽しく便利、快適で安価な方策を
求めることはできないのか?


すべてにおいて
時代はどんどん良くなっていくはず。
そんなことを考えていたところ
面白い情報に出会いました。



つづく



▲広島なずなの会HP
コメント
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