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直感力10🌟勝敗の分岐点を知る🌟

2018-02-03 10:58:40 | お話
10🌟勝敗の分岐点を知る🌟


将棋は一手一手が因果応報。

原因と結果がはっきりとしている。

しかし、今日の努力は、少なくとも3ヶ月後、1年後といったタイムラグがあった後に、

初めて結果としてあらわれることが多い。

新しい戦法を試そうと思えば、たいてい最初は失敗を重ねるだろう。

だからといって、あきらめてはいけない…

というのは簡単だが、

必ずしも永遠にあきらめないことがいいわけではない。

たとえばあらかじめ期間を決めておいて、その期間を過ぎても身につかないようであれば、

その戦法は潔くあからめることも必要だ。

実戦では、自分のほうが不利な場面を想定している時間が9割くらいある。

たいていは展開の悪い場面、不利な状況についてシミュレーションしているのだ。

常に、「この状況をなんとかしなければ」と考えている。

ただしそれは、「不安がる」こととは違う。

漠然とした状況を心配し、不安になって考え込むことではない。

それは実際の厳しい勝負の場では当然のことなのだ。

盤面上では自分が有利に、うまくいってる状況のことを考えても仕方がない。

こうすればうまくいく、というその手に辿り着いたところで満足しては、

そこでも思考停止となってしまう。

そうではなく、不利な場面をたくさん想定し、実際には回避する。

その積み重ねが「あきらめない」精神を築くことにつながっていく。


また同時に、それは「ターニングポイント」を知る訓練にもなる。

つまり、ここが勝負どころだとか、分岐点だというポイントが、

感覚として分かるようになるということだ。

だとえば、指すべき手筋が分かっていながらミスをして負けてしまったのであれば、納得がいく。

それは実力で負けたのではないし、修正点も明らかだ。

しかし、敗因がわからないまま、終わってしまうこともある。

ターニングポイントに気づかない、その瞬間が見えなかったということだ。

どこがターニングポイントだったのか。

それはもうそこからどんなに頑張っても粘ってもダメという局面だったのか、

細い道ながらも可能性があったのか…

といったことを、終わってからでもきちんと検証しておくことが必要だろう。

勝った、負けたといった結果で終えるのではなく、その分岐点を見極めておくことだ。

筋を読めたか読めなかったのか。

事実上の決着はいつ、ついていたのか、、、。

勝敗の分かれるターニングポイントを認識することができるようになれば、

その先まだあきらめないで頑張るべきか、

いやもうここはあきらめたほうがいいといった判断が明確にできるようになり、

無駄な粘りをせず、必要な頑張りができるようになるだろう。


(「直感力」羽生善治さんより)

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