一昨日の朝の勉強会は、がん検診についてやりました。6月から健診・検診がはじまっているのもあり、がん検診について、少しアップデートしてみました。
USPSTFの推奨と日本のがん検診ガイドラインの内容を比較してみました。
★補足事項
40歳代の効果については賛否あり:40歳代は50歳~74歳までと比較してNNI(Number Needed to Invite)が大きい。(2000vs667) これらへの解釈の違いにより推奨が異なる。
S状結腸鏡(5年毎)+便潜血(3年毎)、全大腸内視鏡(10年毎)などの死亡率減少の根拠はあるが、日本では検査のリスクを考えて、対策型検診としては推奨せず。
ちなみに、2014年Annals of Internal Medicineに、Frank van Heesらの報告があり、それによると、合併症のない高齢者であれば86歳まで、中等度の合併症ある場合には83歳まで、便潜血でのスクリーニングはcost-effectiveであるとの結果が出たようです。参考までに。
USPSTFでは有病率低いため、記載なし。
国内ガイドライン2005年度版との違い(すいません入れ忘れましたが表にのっかってるのは2014年度版です)
⇒X線もともと推奨していたが、国内の複数の症例対症研究以外に、国内2件・国外1件のコホート研究で胃がんによる死亡率減少認めた。
内視鏡に関しては、2005年度以降に、国内2件・国外1件(韓国の研究で報告書のみ論文化未)の症例対症研究で胃がん死亡率減少を認めたことを根拠にB。
健診にきてがん検診受けていない人や、外来の患者さんなどにがん検診をすすめることがありますが、ただ「検診うけてくださいね」ではなく、その方の年齢やリスクファクターなどを考慮して、自分なりに重みづけをしながら、おすすめするのが重要かなと感じています。