松山のシメの定番「豚珍行」の中華そば
道後温泉、ミカン、鯛めし、じゃこ天、野球拳…四国最大の繁華街を擁する松山は昼も夜も愉快である。今宵は地元の方に案内され、繁華街・二番町の人気店「豚珍行(とんちんこう)」でラーメンを啜り締め括ることに。聞くと、この店は夜のシメの定番であり、ソウルフード的な存在なのだそうだ。創業は1974年。
暖簾をくぐる前から、漏れてくる豚骨アロマ。店内はカウンターとテーブルで30席弱といったところか。麺メニューは「中華そば」を筆頭に、味噌ラーメン、キムチラーメン、ワンタン麺、焼きそばなどを揃えている。ほか、餃子やレバニラといったツマミ類もあり、中華そばも「半そば」が用意されているので、飲み屋使いも出来る。
また珍しいのは、いなり寿司がメニューにあったり、店の端に「おでん」の什器があり、セルフで取って食べる点だ。おでんは玉子や竹輪、厚揚げ、糸こんといったオーソドックスな種に加え、じゃこ天、牛すじ、シマ腸などもラインナップ。まずは、おでんの牛すじと玉子、そして餃子を注文してビールで流し込む。
そしてシメの「中華そば(670円)」を。店内に豚骨アロマが充満しているので、てっきり白湯の九州系あたりかと想像していたが、豚骨のほか鶏ガラ、魚介、香味野菜などを炊いた薄濁りのスープで、甘めの醤油で味を整えてある。嫌な脂臭さやクドさはなく、スッキリした味わいで旨い。こりゃ呑んだシメに丁度よい。
そこに合わせるのは、県産小麦を使用したという自家製の中太ストレート麺。香り良く、スープとの相性は抜群だ。トッピングには、食感がしっかりしたチャーシュー、キクラゲ、メンマ、モヤシ、刻みネギが乗る。おでんも餃子も中華そばも、酒飲みが好きなチューニング。こりゃいい店を教えてもらった。松山の夜、最高である。
<店舗データ>
【店名】 豚珍行(トンチンコウ)
【住所】 愛媛県松山市二番町1-10-6
【最寄】 伊予鉄城南線「大街道駅」徒歩6分
★2020年10月30日に店舗リニューアル