谷根千で啜る、ひだまりの様な優しい一杯
千駄木駅を出て、不忍通りの一本東側にある「よみせ通り商店街」へ。この道は藍染川の暗渠跡で、文京区と台東区の区界でもある。かつては露店がひしめき大変な賑わいを見せたという。今は露店は禁止されているものの、下町情緒が色濃く残っていることから、谷根千散策において谷中銀座と並ぶ人気スポットとなっている。
今回訪れた「麺屋ひだまり」は、この「よみせ通り」に2011年8月にオープンした。ご主人は「麺屋 宗」中目黒店で店長を務めた人物だ。メニューは、らぁ麺とつけ麺が、それぞれ塩と醤油の2軸。また、夜限定で味噌も提供している。出身店の「麺屋 宗」は塩の名店で知られるが、「ひだまり」のおススメも、やはり塩だそう。
スープには大山鳥、イリコ、枕崎の鰹節、羅臼昆布を使用。どの素材が主導権を握るわけでもなく、調和によって旨味を引き出している。また塩は、沖縄の雪塩やヒマラヤ岩塩など4種をブレンドしている。一方の麺は、三河屋製麺の中細麺で全粒粉入り。具材も全て強い味付けはしておらず、全体的に優しい味にまとめられている。
麺料理のほかにも「炭焼き豚とネギの丼」「名古屋コーチンの卵かけご飯」「釜揚げしらす丼」といったご飯モノや、谷中生姜を使った餃子などが用意されていて、ちょっと一杯ひっかけることも出来る。周辺を散策する外国人観光客が多いからか、通し営業なのもありがたい。激戦区・千駄木でも評判の塩、ぜひ一度。
<店舗データ>
【店名】 麺や ひだまり
【住所】 東京都文京区千駄木3-43-9
【最寄】 東京メトロ千代田線「千駄木駅」徒歩5分