池之端の老舗「日増屋」のラーメンは侮れない
東京メトロ千代田線・根津駅の2番出口から湯島方面へ歩いて1分ほど。不忍通り沿いにある老舗「日増屋」へ。こちらは明治期に和菓子屋として創業し、1967年(昭和42年)に3代目が並行してラーメンの提供も始めたそうだ。1997年(平成9年)に不忍通りの拡張工事を受け改築したのを機に、ラーメン専業となったという話である。
なお改築前の建物は、1967年頃に化粧品店・村上精花堂から譲渡されたものなのだが、ギリシャ・イオニア式の柱を持つ美しい西洋風建築として有名であった。現在は都立小金井公園内の「江戸東京たてもの園」に移築され形を遺している。一方で今の店舗は近代的だが、手作りの暖簾やPOPが下町の温かみを感じさせてくれる。
店内はカウンターに4席と4人がけテーブル4卓の計20席。麺メニューは醤油・塩・味噌と3種の「ラーメン」を主軸に、黒酢・激辛・豆乳・汁なしの4種の「タンタンメンメン」、ねぎ・味噌・海老の3種の「ワンタンメン」、つけめん、みそつけめん、タンメン、五目そば、サンラータンメンなど様々ラインナップしている。
また夏はレギュラー、ゴマだれ、黒酢の3種の「冷やし中華」も提供。また麺類のサイドメニューとしてミニサイズのチャーハン、チャシュウ丼、マーボー丼、ルーロー飯、6個入り餃子を選べるほか、チャーハン、ルーロー飯、海南鶏飯を単品で注文することも出来る。今回は「チャシュウメン(1100円)」をオーダーすることに。
麺を全粒粉入りの太麺、たまごめんの中太縮れと細ストレート麺の3種から選べるのだが「たまごめん中太縮れ」でお願いした。待つこと12分ほどで、小ぶりで白い切りたて丼が到着した。茶濁したスープは鶏ガラを中心に節などの魚介出汁を加えたもの。サラリとした飲み口ながら双方の旨味たっぷりで香ばしさもあり美味だ。
そこにコシのある麺がしっかりマッチ。チャーシューは厚みある豚肩ロース肉が4枚。噛み応えがありタレが染みて肉の旨味を存分の楽しめる逸品だ。トッピングはほか海苔とネギとシンプルである。本格的な一杯、あっという間に完食した。西には東大、東は上野の森と好立地なので、谷根千散策の合間に訪れるのも良いだろう。
<店舗データ>
【店名】 日増屋
【住所】 東京都台東区池之端2-7-14
【最寄】 東京メトロ千代田線「根津駅」2番出口1分