横浜市都筑区耳鼻咽喉科

南山田(センター北と北山田の間)の耳鼻咽喉科院長のブログ。

原発停止

2011-05-07 19:22:00 | 院長ブログ

今朝の朝刊(朝日)の第一面は、浜岡原発全停止へ、でした。首相が要請し、中部電力も受け入れる方向とのこと。M8程度の東海地震の可能性が近い将来起こる可能性が高いことが、理由としてあげられています。

首相には法律上、原発の停止を指示する権限はなく、要請しかできないとのこと。また原発を停止すれば、中部電力は不利益を被ったとして株主から訴えられる可能性もあるとのこと。日本は法治国家ですから、何事も首相や社長の一存で決まるわけではありませんから、まだ決定されたわけではないようです。

今まで国は原発依存を高めていく方針で、国民もそれを容認していました。容認といっても、私を含めた大多数の人にとって、原発は遠い所にあって何かあっても自分には被害がないと思い、黙認していただけなのかも知れません。

選択肢はいくつかあります。

1. 絶対安全な原発などないから、即時すべて停止する。 日本の電力の原発の依存度は30%程度。1980年には現在の約半分の発電量でやっていたのだから、節電をすればできるかも。しかし産業にどれぐらいの打撃があるか。いずれにせよ、現在の贅沢な生活は諦めなければならない。

2. 新しい原発は造らずに、現存する原発も順次廃止していく。 そのためには、原発に換わるエネルギー源が必要。石油には頼れないことが明らかだし、石炭にはC02排出などの問題が大きい。天然ガスも、日本ではあまり採れない。今までにない技術の開発が必要だが、すぐできることではない。

3. 原発はやはり必要なので、安全性を高めながら増やしていく。 ビル・ゲイツなどは「キロワット時あたりで比較すれば原子力より石炭による死傷者の方が問題にならないほど多い」と言っています。しかし、今、新しい原発を受け入れる場所など、日本中どこにもないでしょう。

このような重要なことは、一政権が決めてよいことではないでしょう。国民投票で決めて、皆がその決定に責任を持つべきかも知れません(実際には、日本の法律では、憲法改正以外の国民投票はありませんが)。国の将来を選ぶのは、政府ではなく国民だというのが、民主主義です。民主主義には、責任も伴います。重い責任は、私たちにあります。

選択肢の2.がうまくいけば理想的でしょうけど、そう簡単ではありません。スウェーデンでは、1980年の国民投票で、2010年までに12基あった原発を段階的に廃棄していくことが決まりましたが、30年の間に期待された代替エネルギーの開発は進まず、廃棄された原発は2基にとどまっていました。このため2010年という期限は延期され、今後も代替エネルギーの開発と省エネの努力を重ね、それでも現存の原発の寿命が来るときに間に合わなければ、新規の原発も建設するということになりました。

 

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