鼻副鼻腔炎の鼻の中です。鼻腔はけっこう上下も前後も広いものです。鼻腔の写真を撮ろうとすると、どうしても上下角度を変えて2枚撮らないと、全体が写りません。
鼻副鼻腔炎の治療で最も大切なのは鼻処置です。粘性の鼻汁はかんでもなかなか出てきません。鼻汁が貯まっていると、それが苦しいというだけでなく、鼻汁の中に細菌や、いろいろな化学物質も含まれているので、鼻汁自体が炎症を長びかせるのです。副鼻腔の自然孔を広げるような処置も行います。
鼻汁の吸引管はいろいろあります。小学生以上なら、金属の吸引管がピンポイントに狙えてベストです。痛くないように、確実に吸引するのは、耳鼻科医の腕の見せ所?でもあります。幼児では、オリーブ管(先の丸い管)を用いますが、鼻の前方から確実に吸引し、なおかつ副鼻腔や耳管(鼻の奥と中耳をつなぐ管)に陰圧をかけすぎないようにするには、かなりコツがいります。それも奥の方は吸いきれないことがあります。
オリーブ管で吸引しきれない、幼児の鼻の奥の方を吸引するのに良い吸引管がなかなか見つからなかったので、手作りで加工したりしたこともあったのですが、現在は下図のアマツ式がベストだと思っています。手元は金属で持ちやすく安定しており、先端の方はシリコン製で軟らかく、幼児でも安全に、金属の吸引管と同様の鼻処置ができます。しかも、高圧蒸気滅菌が可能です。