横浜市都筑区耳鼻咽喉科

南山田(センター北と北山田の間)の耳鼻咽喉科院長のブログ。

インフルエンザ予防接種

2012-10-15 07:58:44 | 院長ブログ

当院では、他の予防接種は行っていませんが、インフルエンザだけは行っています。インフルエンザの罹患後は、細菌感染による副鼻腔炎や中耳炎も起きやすいので、耳鼻咽喉科も無関係ではありません。

下は、よくいただくご質問です。

Q:予防接種をすればインフルエンザにならのないのですか? A:接種しても、必ず発症を防げるわけではありません。ワクチンの効果は総じて約 70 ~ 80%程度とされます。しかし、高齢者で、たとえ発症しても、合併症や死亡の危険を減らす効果があると報告されています。小児については、インフルエンザによる呼吸器疾患の予防効果が1~15歳で77~91%であったという報告、3~9歳の健康小児では56%の発症予防効果があったという報告などがあります。1歳以上6歳未満の小児の発症予防効果は、20 ~ 30% 程度という報告もあります。

Q:予防接種はどのぐらいの期間効きますか?いつごろ受ければよいですか? A:現在のインフルエンザ ワクチンの発症予防効果は、個人差がありますが、接種後2週から5カ月程度と考えられています。接種から5カ月経つと、免疫が全く消えてしまう わけではありません。たいていの年は、12月から3月にかけて流行しますので、10月から11月には、受けておいたほうがいいでしょう。

Q:A型にもB型にも効きますか?新型(2009年流行した)にはどうですか? A:例年、その年の流行を予想して、A型2種類、B型1種類に効くワクチンが選ばれます。今期は、下記の組み合わせです。一番上のpdm09というのが、2009年の新型です。2009年以降、それまでのソ連型の流行が世界で見られなくなり、それに変わって、この型が毎年選ばれるようになっています。

  A/California(カリフォルニア)/7/2009(H1N1)pdm09

  A/Victoria(ビクトリア)/210/2009(H3N2)

  B/Brisbane(ブリスベン)/60/2008(ビクトリア系統)

Q:6ヶ月の赤ちゃんの接種はどうですか? A:生後6ヶ月未満にはワクチンを接種しません。ワクチンの効果と副反応に関しての知見が少ないのと、この月齢までは母体由来免疫の効果が期待できるからです。6ヶ月から1歳までについては接種が行われますが、今のところ研究対象が少なく、有効性を示す確証は得られていません。いずれにせよ、同居するご家族が、インフルエンザをしっかり予防することが大切です。

Q:妊娠中はどうですか? A:インフルエンザワクチンはウイルスの病原性をなくした不活化ワクチンであり、胎児に影響を与えるとは考えられていません。妊娠されている方がインフルエンザにかかると、重症になる場合があり、使える薬も限られます。そのため米国では妊娠している方の予防接種が推奨されています。しかし日本では、妊娠している方のインフルエンザワクチン接種に関する調査成績が十分に集積されていないこと、また妊娠初期など自然流産が起こりやすい時期には予防接種は避けた方がよい場合もあることから、当院では、一応産科の先生に前もって相談していただくようにお願いしています。 

先週から接種を開始していますが、入荷予定のワクチンの予約は既に完了しています。キャンセル等が出た場合は、院内およびホームページでお知らせします。

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