サニテラの仲間達

退職を機に、自分は残りの人生で何をしたいのか心の声に耳をかたむけ山小屋生活を楽しみ、世界を歩く夢を実現したいと考えてます

真面目に日本国の物価の動きを他国と比べてみた。

2025-01-24 07:00:00 | 株価
日本の物価と経済を素人が真面目に考えてみました。

昨年、東南アジアの発展途上国を旅して思った各国の物価が、ものすごく上昇していて日本とあまり変わらないと感じたからです。

私が旅したアジア各国について、アジア旅のブログ内にも書きましたが、食費で各国で一番安い部類の麺類で、屋台みたいな場所や道に椅子を置いて食べる、若しくは倉庫みたいなお店でも大体300円~450円程していました。しかも日本のラーメンと比べたら、その麺量は半分から7割位しか有りません。少し洒落た店つまり日本のチェーン店や食堂みたいなところでビール飲んで食事でもしようものなら2500円位は余裕でするくらいの物価でしたが、とても高いと感じました。
私達夫婦は、もともと日本とアジア諸国(一部の都会を除く場所)は、建物自体も道路事情も鉄道やバスの時間の正確さや、高速道路整備に港湾、スーパーマーケットの充実度合、国民の収入金額、社会保障関連その他もろもろ比べられないほどの差があるので、今でも食費は無茶苦茶安いだろうと思ってたら、思っていた以上に日本に近いレベルだもん。最初は絶対にボラれてるとしか思わない訳ですが、そうじゃなくこれが一般価格と分かると、一体全体何がどうなっているのか訳が分からないとなった訳です。

自分なりに納得がいく解を見つけようと、いくつか世界基準の数値を使って考えてみました。
GDP(国内総生産)
1年間で国内で生産された付加価値(儲け)の総額で、サービスや商品などを販売した時の価値から原材料や流通費用などを指し引いた価値で米ドルで表される。
2024年の順位(単位:百万US$)
1位アメリカ 27,966,553
2位中国   18,560,013
3位ドイツ    4,700,875
4位日本     4,286,187
5位インド    4,105,381
13位韓国   1,784,805
16位インドネシア1,542,366
22位台湾      791,608
29位タイ    543,241
34位ベトナム  469,672
106位カンボジア    33,233
137位ラオス   14,095


GNI(国民総所得)
GDPの国内に対して、住居者が国内外で得た所得となり海外での所得も含まれる。
2023年の順位(百万US$)
1位アメリカ    26,894,542
2位中国   18,899,260
3位日本     4,859,877
4位ドイツ    4,559,133
5位インド    3,630,236 
12位韓国   1,835,475
16位インドネシア1,352,588
27位タイ      515,549
39位ベトナム    412,944
102位カンボジア   30,702
128位ラオス     16,195


国民一人当たりの名目GDP
GDPを国民の数で割った数値
2024年(単位:ドル)
1位ルクセンブルグ  135,321
2位スイス      106,098
3位アイルランド   103,500
6位アメリカ       89,370
17位ドイツ        55,521
33位韓国         36,132
37位台湾         33,234
39位日本         32,859
73位中国         12,969
97位タイ           7,527
121位インドネシア     4,981
123位ベトナム       4,649
140位カンボジア      2,744
142位インド        2,698
154位ラオス        1,945


国民一人当たりの名目GNI
GNIを国民の数で割った数値
2022年(単位:ドル)
1位モナコ    240,535
2位リヒテンシュタイン195,546
3位バミューダ  119,015
8位アメリカ     77,087
23位ドイツ    50,804
33位日本     36,337
37位台湾     33,664
40位韓国     32,780
83位中国     12,463
109位タイ     6,709
130位インドネシア 4,656
140位ベトナム   3,961
161位インド    2,396
170位ラオス    1,918
171位カンボジア  1,658

これらから分かる事は、日本は未だに国単位では世界でもGDPやGNIで4位や3位で稼いでいる国であること。ただし人口が多い国は1人当たりに換算すると、特に少子高齢化が進んでいる日本はその順位は上位から落ちて39位や33位になってしまう事。
1人当たりの順位は韓国や台湾と近い水準ですが、日本の現役の実態はそんなはずは無いと、現役世代に限る平均を計算してみました。世界で現役世代と言われる15歳から65歳の比率は日本の場合約60%、韓国約73%、中国69%、台湾74%、ドイツ66%となっていますから、逆算すると、それぞれの国の現役1人当たりのGDPは日本54,765、韓国49、495、中国18,795、台湾44,910、ドイツ84,122ドルになります。
この国の中では日本はドイツに次いで高いので実態に近いのかとも思いましたが日本人の平均が本当に年収800万円も有るのか?とも思います。。。それでも海外旅行者は日本人よりも韓国や中国人の方が多いように思われます。何でやねん??
因みに以下の国の人口比率と現役GDPを計算するとインドネシア67%で7,434、ベトナム70%で6,641、ラオス61%で3,188、カンボジア64%で4,287ドルで、まだまだ日本との差は大きいのですが、敢えて食事の価格があまり変わらない理由を考えると、日本人は収入の半分を税金関係で国に納めるにもかかわらず食事の他にも車、洋服、趣味や住居などにも使う余裕があるが、彼らの多くは収入を食費で使いきり、その他の消費財に回すお金が無いのかもしれない気もしました。

でも、なかなか納得できるデータが無いので、良く言われる日本の失われた30年、この30年間の各国のインフレ率を比べてみました。(1995~2024最新まで)
・1995年の数値を100とした場合に、毎年のインフレ率(消費者物価指数)を計算して2024年までにどれくらい上昇しているかを調べてみました。結果は以下の通りです。
アメリカ:209.7
日本:112.9
ドイツ:173.9
韓国:245.2
中国:218.8
タイ:194.8
ベトナム:560.4
カンボジア:365.6
インドネシア:974.7
ラオス:4837.9
上記の数値から日本人が国内で生活していた30年間は、約13%しか物価は上昇せずある意味平和な30年間でしたが、世界各国の物価は凄い率で上昇していた事が分かりました。

次に旅人目線でみました。つまりアメリカドルを中心に据え、為替データを物価に反映させました。1995年の各国の対米ドル為替(年間平均為替)と2024年のそれを比較して、その数値を各国の物価上昇に反映させたアメリカ人からみた物価指標です。
アメリカ:209.7
日本:69.8
ドイツ:204.2(ユーロ開始の関係で2000年の為替で計算)
韓国:139.5
中国:253.9
タイ:137.4
ベトナム:238.6
インドネシア:137.9
*ラオスとカンボジアは為替データなく不明

今度は、日本人目線で日本円と各国通貨の為替から見ると各国の以下の通り
日本:112.4
アメリカ:209.7
ドイツ:286.0(ユーロ開始の関係で2000年の為替で計算)
韓国:223.4
中国:388.1
タイ:221.5
インドネシア:221.5
*ラオス、カンボジア、ベトナムは為替資料なく計算できませんが米ドル目線を参考に出来ると思います。



このデータを作って私なりに大いに納得しました。
為替を考慮するとかなり実態に近い数値になったんじゃないかと思います。一番分かりやすいのがインドネシアで、物価は約9.7倍になっているんですがベトナムドンの為替が対ドルで大幅に安くなり、ドルベースでみると1.37倍になっているという具合です。
更に、日本のみがマイナス成長で30年前と比較すると約30%も安くなっている事です。欧州人から見ても自国物価が約2倍になっても日本は0.7倍なのですから。つまり30年前のアメリカ人が自国で1,500円程度の内容の昼食が今は3,000円になったのに、彼らから見たら当時も安かった日本の1,500円の昼食が今だと日本で1,050円で食べられる感覚と言う事だと思います。
またアジア諸国の人も当時は日本の物価が高く感じて、日本旅行は夢物語だったと思いますが、今の状況なら普通に行けるようになり今や世界中からの訪日客で、オーバーツーリズム状況になっている訳も十分説明できると思います。逆に我々日本人からみると、30年前だと上記の表で見る物価上昇率が高い国ほど今とのギャップが大きく安く感じている筈です(アメリカや欧州は当時から高かったので今や行けない地域になってしまいましたが)。
因みに以前は安いと感じていたタイでも当時から約2.2倍の物価になる訳ですが、私もタイで感じるのは2倍強程度の物価上昇感覚だったので、案外この計算方法はあっていると思います。

次に、今年の日本の株価ですが、日本が世界と比較して物価上昇を行ってこなかったつけが、これらのデータから分かりますが、これ以上日本人の人件費が安い状態を後回しに出来なくなってきたと考えられないでしょうか。昨年から政府も企業の社員の賃金上昇旗振りを始め、実際企業も大手企業から賃金上昇が始まっていますし、今年は更にこれらが作用し日銀も金利をプラス圏に戻すでしょうから、日本の物価も賃金も世界の常識通り右肩上がりになって来るんじゃないでしょうか。物価が上昇すれば、企業の利益も上昇し、世界の投資家も日本の遅れていた株価に再注目して上昇する筈だと思いますがどうなんでしょうかね。99%私の願望の予測ですが、それでも世界の物価上昇率が日本のそれよりも急カーブで更に上昇すれば、比較して日本はまたもや沈むとも言えますし、やっぱり素人には分かりません。

頑張れ日本!