タモリの TOKYO 坂道美学入門

私もあちこち歩き回ることが好きで、都内に住んでいた頃は神社仏閣を巡ったり、本屋、ＣＤショップ、

そして美味しそうな食べ物屋さんを中心によく歩きました。坂道も好きですが、楽しむ感覚は稀薄でし

たね。



本書ではタモリの「よい坂」の条件はー

　１ 勾配が急である
　２ 湾曲している
　３ まわりに江戸の風情がある
　４ 名前にいわれがある

としています。東京中の歴史のある様々な趣ある坂を実際に歩いていて、タモリ氏自ら撮影した写真が

兎に角よく撮れていて感心しました。坂の写真は難しくて、後から見ると勾配が分かりにくかったりし

ますが、掲載されている写真は角度もよく、風情がこちらまで伝わってきます。


車が通行できない坂も多く、これを歩いて回ったとなると相当の距離です。初版が2004年ですから「笑

っていいとも！」「タモリ倶楽部」等々の出演で忙しかったと思いますが、その合間を見つけては楽し

みながら記録していったのでしょう。


坂を紹介する時のエピソードがいちいち本当に面白い。タレントとしての「タモリ」ならではという物

も多く、生活圏としての坂がいくつも登場し、想像しながら楽しめます。


コロナもやっと下火になってきたようで、再び散策に出かける時が増えそうです。勿論、この本を片手

に！


　　タモリの TOKYO 坂道美学入門　　　　　　　　　　講談社