すでに食料不足は世界的な問題として懸念されてきた。そこにウクライナ侵攻が重なり先進国でもより
身近な問題として取り上げられるようになってきた。日本の食料自給率は低い。政府の無策も以前から
指摘されてきたが、さらに本書によれば数年以内に零細な農家が一斉にやめる「大量離農」を迎えると
いう。圧倒的多数を占める高齢の農家が、70歳を境に農業から離れていくのだ。
しかし、著者はこれを絶好の機会ととらえる。大量離農が同時に農地の大量放出を伴う、残る農家が農
地を引き受けながら設備投資を進めるために「ロボットAI農業」を活用するのだという。
例えば無人のロボットトラクターが搭載しているセンサーによって制御されながら水田を縦横無尽に駆
け抜け、ドローンが画像撮影によって実っている稲の生育状況を把握し、クラウドを通じてロボットト
ラクターにその分析結果を伝える。データを受け取ったロボットトラクターは、水田の箇所ごとに肥料
を自在に散布する。無人のロボットコンバインが刈り取り、除草用ルンバが草刈りをするという。これ
らはすでに実用化され、全てではないが試験的に動いていたり、農業の現場で実際に稼働しているのだ。
広大な農地で大変な作業である「水管理」は田んぼに立っているポールにセンサーが搭載されていて、
そのセンサーが収集したデータをスマートフォンに送信、画面から水位、水温、気温、湿度、降水量な
どを見ることが出来、水管理の時間を大幅に短縮可能だ。
日本は「センサー大国」だ。2014年の出荷額は数量ベースで世界シェアの47%を握っているという。こ
こから得られるビッグデータを解析し、科学的な農業が可能になる。
日本の農業は重労働のイメージがあり、零細、高齢化という問題で長年疎んじられてきた。ころころ変
わる政府の政策に翻弄され、JAの農業指導も画一的で現状に合致できない。日本各地の農家、自治体、
大学ですでに始まっている「ロボットAI農業」をメディアでも沢山取り上げてほしい。
日本発「ロボットAI農業」の凄い未来 窪田新之助 講談社+α新書
身近な問題として取り上げられるようになってきた。日本の食料自給率は低い。政府の無策も以前から
指摘されてきたが、さらに本書によれば数年以内に零細な農家が一斉にやめる「大量離農」を迎えると
いう。圧倒的多数を占める高齢の農家が、70歳を境に農業から離れていくのだ。
しかし、著者はこれを絶好の機会ととらえる。大量離農が同時に農地の大量放出を伴う、残る農家が農
地を引き受けながら設備投資を進めるために「ロボットAI農業」を活用するのだという。
例えば無人のロボットトラクターが搭載しているセンサーによって制御されながら水田を縦横無尽に駆
け抜け、ドローンが画像撮影によって実っている稲の生育状況を把握し、クラウドを通じてロボットト
ラクターにその分析結果を伝える。データを受け取ったロボットトラクターは、水田の箇所ごとに肥料
を自在に散布する。無人のロボットコンバインが刈り取り、除草用ルンバが草刈りをするという。これ
らはすでに実用化され、全てではないが試験的に動いていたり、農業の現場で実際に稼働しているのだ。
広大な農地で大変な作業である「水管理」は田んぼに立っているポールにセンサーが搭載されていて、
そのセンサーが収集したデータをスマートフォンに送信、画面から水位、水温、気温、湿度、降水量な
どを見ることが出来、水管理の時間を大幅に短縮可能だ。
日本は「センサー大国」だ。2014年の出荷額は数量ベースで世界シェアの47%を握っているという。こ
こから得られるビッグデータを解析し、科学的な農業が可能になる。
日本の農業は重労働のイメージがあり、零細、高齢化という問題で長年疎んじられてきた。ころころ変
わる政府の政策に翻弄され、JAの農業指導も画一的で現状に合致できない。日本各地の農家、自治体、
大学ですでに始まっている「ロボットAI農業」をメディアでも沢山取り上げてほしい。
日本発「ロボットAI農業」の凄い未来 窪田新之助 講談社+α新書