よしーの世界

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日本発「ロボットAI農業」の凄い未来   窪田新之助

2022-06-16 06:39:17 | 
すでに食料不足は世界的な問題として懸念されてきた。そこにウクライナ侵攻が重なり先進国でもより

身近な問題として取り上げられるようになってきた。日本の食料自給率は低い。政府の無策も以前から

指摘されてきたが、さらに本書によれば数年以内に零細な農家が一斉にやめる「大量離農」を迎えると

いう。圧倒的多数を占める高齢の農家が、70歳を境に農業から離れていくのだ。


しかし、著者はこれを絶好の機会ととらえる。大量離農が同時に農地の大量放出を伴う、残る農家が農

地を引き受けながら設備投資を進めるために「ロボットAI農業」を活用するのだという。


例えば無人のロボットトラクターが搭載しているセンサーによって制御されながら水田を縦横無尽に駆

け抜け、ドローンが画像撮影によって実っている稲の生育状況を把握し、クラウドを通じてロボットト

ラクターにその分析結果を伝える。データを受け取ったロボットトラクターは、水田の箇所ごとに肥料

を自在に散布する。無人のロボットコンバインが刈り取り、除草用ルンバが草刈りをするという。これ

らはすでに実用化され、全てではないが試験的に動いていたり、農業の現場で実際に稼働しているのだ。


広大な農地で大変な作業である「水管理」は田んぼに立っているポールにセンサーが搭載されていて、

そのセンサーが収集したデータをスマートフォンに送信、画面から水位、水温、気温、湿度、降水量な

どを見ることが出来、水管理の時間を大幅に短縮可能だ。


日本は「センサー大国」だ。2014年の出荷額は数量ベースで世界シェアの47%を握っているという。こ

こから得られるビッグデータを解析し、科学的な農業が可能になる。


日本の農業は重労働のイメージがあり、零細、高齢化という問題で長年疎んじられてきた。ころころ変

わる政府の政策に翻弄され、JAの農業指導も画一的で現状に合致できない。日本各地の農家、自治体、

大学ですでに始まっている「ロボットAI農業」をメディアでも沢山取り上げてほしい。


   日本発「ロボットAI農業」の凄い未来   窪田新之助    講談社+α新書



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