よしーの世界

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京大式 へんな生き物の授業   神川龍馬

2023-02-04 07:50:40 | 
純粋に生物学の本です。キューティバクテリウム・アクネス(真正細菌)やエミリアニア・ハックス

レイ(ハプト藻類)とか聞いたことが無いような生物が次々に登場しますが、生物としての私たちに

とても示唆のとんだ考察を提供してくれています。


最初に遺伝情報にまつわる言葉を、例えば「核=ゲノムの入った小部屋」「染色体=小部屋の中の本

棚」「ゲノム=生命を維持するための設計図」「遺伝子=設計図の各項目」「DNA=設計図の材料

(台紙)であり文字」「タンパク質=遺伝子に書かれた情報をもとに作られる生命維持の道具の一種」

と解説してくれています。パッと目にして簡単に理解できませんが、今まで何となく頭にあった言葉

が整理できると思います。


以前も聞いたことがある気がしますが、「進化」は結果的にあたかも特定の目的に合致したものに進

化するように見えるかもしれないが、すべては偶然の変化から始まっている、という。その変化が有

利な場合だけではなく、時には多少不利でも偶然子孫に受け継がれていくものがあって、結果として

今の地球の(生物)多様性があるのだ、と。


分類上、人間はカビに近いといえる、という理由についても書かれていて(キリスト教系右派の人た

ちが聞いたら卒倒しそう)本当に面白い。感情的ではない、科学的見地からの本は冷徹な事実の積み

上げから成り立っています。


   京大式 へんな生き物の授業   神川龍馬            朝日新書
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