「自然な歩き方」を紐解くためには以下の本を参考にさせていただきました。
今年(2013年)2月初版の新しい本です。
「痛みや悩みを解決する! 足についての本当の知識」水口慶高著 木寺英史監修 実業之日本社
この本を読んで、骨格がなぜそのような形をしていて、なぜそのように機能するのか― を理解することができました。
これらを理解することで「自然な歩き方とは…」がみえてきました。
本の中で「形が動きを作る」という言葉がでてくるのですが、この言葉に集約されていると思います。
身体がこのような形をしているからこの動きを作る… それはイコール「身体にとって必要な動き」であり、「身体本来の動き」を意味します。
私たちが身体を効率よく、そして運動能力を最大限に発揮するためには、この身体の構造と機能を知ることが何よりも大切なのだと実感しました。
では具体的に「足の構造」と「その構造所以に生まれる機能」について見ていきますね。
まず最初は足の観察からです。
カカトはどうなっていますか?
丸みを帯びていて触るとクッションのようにぷにぷにしていませんか?
そして骨の大きさも足の中では一番大きいですよね。
他にも同じような構造を持つところがもう一か所あります。
それは足を観察して見つけてみて下さいね
これはどういうことを意味するかというと、足が接地した時に衝撃を吸収し、床に対して転がれるようになっているということです。
では次に歩き方をイメージしてみて下さい。
カカトから接地して最後つま先に抜けますよね。
この時、身体にさほど衝撃を感じることなく、そして無駄に労力を使うこともなく、スムーズに足を運べているのがお分かりでしょうか?
それはこの構造所以なのです。
この転がる機能をロッカー機能といいます。
皆さんどうでしょう?
スムーズに歩けていますか?
足が転がれる構造になっているからこそ私たちは足に力を入れることなく、タイヤまでとはいきませんが、省エネでコロコロ足を転がしながら歩くことができるのです。
ではもう少し具体的に見ていきますね。
本の中の写真をちょっとお借りして…
「痛みや悩みを解決する! 足についての本当の知識」水口慶高著より
私たちは歩く時にまずカカトから接地し、次に重心を前(前足部)に運ぶために足首を曲げます(屈曲)。
この動きをつくりだしているのが距骨(きょこつ)です。
「動きの解剖学II」Blandine Calais-Germain/Andree Lamotte 科学新聞社
図を見ていただくと、距骨(きょこつ)の上にスネの骨がのっていますよね。
距骨には滑らかな面があり、そこをスネの骨が滑ることにより体幹を前に送り出し、重心を次の前足部へとスムーズに運べるようになっています。
内部の構造なので目に見えないし、イメージがつきにくいと思いますが、ここにもロッカー機能があるということです。
カカトから足首を通過して、最後に指の付け根の関節(MTP関節)に重心が移動する時、3つ目のロッカー構造が働きます。もうお分かりですか?
親指を反らした時にとび出てくる場所です。
拇指球です。
「球」というだけあってここも転がれる構造になっているのです。
体幹が一気に勢いよく放り出せるように仕上げをする場所となります。
このように足は地面に対して「転がれる構造」になっていて、努力感なく前進するようにできていることがイメージできましたでしょうか?
ロッカー機能がスムーズに働いていれば、踏みしめたり、地面を圧したり、勢いをつけて蹴りだす、といった無駄な労力を使う必要がなくなるということです。
つまり筋肉が疲れにくくなる=壊れにくくなる=長持ちします。
ですから、どこかに力をいれて動作をしなければいけない時は、身体の使い方が間違っている?! と言えるかもしれません。
以前ブログの中で「地面を圧す」や「地面をつまむように」と述べてしまいましたが、この足のシステムを知ると、それらは動きの中で自然と生まれてくるものであり、意図して(筋肉に力を入れて)やる必要はないのではないか?と思えてきました。
いつも地面をつまんで歩きたくなるような場合、やはりどこかに問題があるかもしれません。
「つまむ」ということは不安定だからつまむのであり、もしロッカー機能がスムーズに働いていれば、たぶん…地面をつまむ必要はなくなると思うのです。
もしずっとつまむように歩いていれば、ロッカー機能に対しブレーキをかけているような状態になり、よくよく考えれば…疲れちゃいますね
ヒトは猿から進化したので、彼らのように手足をつまんで使うことが原初の名残として大事に思えたのですが、著者はそれに対し異議を唱えていました。
人間の足指がなぜこんなに短く、か弱くなったのかを考えてみるといいかもしれません。遺伝子の98%が同じだという類人猿たちの足は、掌のようにつかめる構造です。しかし、人間はまったく違います。人間の足がつかんだり握ったりするためのいものではないと思えてなりません。
と述べています。
う~ん、確かに。
ヒトが直立二足歩行をするようになった時点で猿とは進化の路線が変わってしまったので、猿にあてはめてしまうのは無理があるのかもしれませんね。
ただ、不安定な道を歩けばヒトは自然と指で地面をつまみます。
平らで障害物の上を歩かなくなったヒトは指の使い方を忘れてしまっています。
指が固まって機能していない方は実に多いです。
ですので指の機能を回復させたい時には地面を圧したり、指先で踏みしめるようにして歩くのはいいかもしれませんが、あくまでトレーニングとしてで、一番優先させたいのはやはりロッカー機能の回復なのだと思いました。
不安定な道でもまずロッカー機能でコロンと進めるようになればそれが自然な歩行の第一歩なのではなかと…
しかし、このロッカー機能、普通に考えればできて当り前のように思いませんか??
ですがいろいろな方の足を観察していると、出来ていない方が多いように思います。
つま先からいきなり接地している方や、逆にカカトをガンガンついて最後つま先に体重がのらない方、足の骨が指先も含め馬の蹄のように一体化していて関節が曲がらずドンドン音をたてて歩いている方…皆さんはどうでしょう?
普通であることが普通にできなくなってしまっている方が増えているように思います。
今一度歩き方をチェックして、自分がどんな状態で歩いているか、この機会に是非見直してみて下さいね。
今回は足の機能に焦点を当てましたが、次回はその部分をもう少し掘り下げ、足の使い方が身体全体に及ぼす影響を見ていこうと思います。
今までブログの中で「足と身体の歪み」についてご紹介してきましたが、間違った足の使い方は歪みだけでなく、身体の合理的な連携機能を台無しにしてしまうこともこの本でわかってきました。
笠原先生もセミナー中何度もおっしゃっていましたが、
足は足 身体は身体と考えてはダメ― と。
足と身体の連携がとれている方はやはりスタイルが良いです。
歪みが少ないだけでなく、筋肉が正しく使えているので筋肉のつき方がきれい
筋肉が正しく働くためには― やはり足の使い方が関わってきます。
次回は足と身体の機能的な関係をみていきます。
これを知ると足を正しく使おう!と思えてきちゃいます(笑)
今年(2013年)2月初版の新しい本です。
「痛みや悩みを解決する! 足についての本当の知識」水口慶高著 木寺英史監修 実業之日本社
この本を読んで、骨格がなぜそのような形をしていて、なぜそのように機能するのか― を理解することができました。
これらを理解することで「自然な歩き方とは…」がみえてきました。
本の中で「形が動きを作る」という言葉がでてくるのですが、この言葉に集約されていると思います。
身体がこのような形をしているからこの動きを作る… それはイコール「身体にとって必要な動き」であり、「身体本来の動き」を意味します。
私たちが身体を効率よく、そして運動能力を最大限に発揮するためには、この身体の構造と機能を知ることが何よりも大切なのだと実感しました。
では具体的に「足の構造」と「その構造所以に生まれる機能」について見ていきますね。
まず最初は足の観察からです。
カカトはどうなっていますか?
丸みを帯びていて触るとクッションのようにぷにぷにしていませんか?
そして骨の大きさも足の中では一番大きいですよね。
他にも同じような構造を持つところがもう一か所あります。
それは足を観察して見つけてみて下さいね
これはどういうことを意味するかというと、足が接地した時に衝撃を吸収し、床に対して転がれるようになっているということです。
では次に歩き方をイメージしてみて下さい。
カカトから接地して最後つま先に抜けますよね。
この時、身体にさほど衝撃を感じることなく、そして無駄に労力を使うこともなく、スムーズに足を運べているのがお分かりでしょうか?
それはこの構造所以なのです。
この転がる機能をロッカー機能といいます。
皆さんどうでしょう?
スムーズに歩けていますか?
足が転がれる構造になっているからこそ私たちは足に力を入れることなく、タイヤまでとはいきませんが、省エネでコロコロ足を転がしながら歩くことができるのです。
ではもう少し具体的に見ていきますね。
本の中の写真をちょっとお借りして…
「痛みや悩みを解決する! 足についての本当の知識」水口慶高著より
私たちは歩く時にまずカカトから接地し、次に重心を前(前足部)に運ぶために足首を曲げます(屈曲)。
この動きをつくりだしているのが距骨(きょこつ)です。
「動きの解剖学II」Blandine Calais-Germain/Andree Lamotte 科学新聞社
図を見ていただくと、距骨(きょこつ)の上にスネの骨がのっていますよね。
距骨には滑らかな面があり、そこをスネの骨が滑ることにより体幹を前に送り出し、重心を次の前足部へとスムーズに運べるようになっています。
内部の構造なので目に見えないし、イメージがつきにくいと思いますが、ここにもロッカー機能があるということです。
カカトから足首を通過して、最後に指の付け根の関節(MTP関節)に重心が移動する時、3つ目のロッカー構造が働きます。もうお分かりですか?
親指を反らした時にとび出てくる場所です。
拇指球です。
「球」というだけあってここも転がれる構造になっているのです。
体幹が一気に勢いよく放り出せるように仕上げをする場所となります。
このように足は地面に対して「転がれる構造」になっていて、努力感なく前進するようにできていることがイメージできましたでしょうか?
ロッカー機能がスムーズに働いていれば、踏みしめたり、地面を圧したり、勢いをつけて蹴りだす、といった無駄な労力を使う必要がなくなるということです。
つまり筋肉が疲れにくくなる=壊れにくくなる=長持ちします。
ですから、どこかに力をいれて動作をしなければいけない時は、身体の使い方が間違っている?! と言えるかもしれません。
以前ブログの中で「地面を圧す」や「地面をつまむように」と述べてしまいましたが、この足のシステムを知ると、それらは動きの中で自然と生まれてくるものであり、意図して(筋肉に力を入れて)やる必要はないのではないか?と思えてきました。
いつも地面をつまんで歩きたくなるような場合、やはりどこかに問題があるかもしれません。
「つまむ」ということは不安定だからつまむのであり、もしロッカー機能がスムーズに働いていれば、たぶん…地面をつまむ必要はなくなると思うのです。
もしずっとつまむように歩いていれば、ロッカー機能に対しブレーキをかけているような状態になり、よくよく考えれば…疲れちゃいますね
ヒトは猿から進化したので、彼らのように手足をつまんで使うことが原初の名残として大事に思えたのですが、著者はそれに対し異議を唱えていました。
人間の足指がなぜこんなに短く、か弱くなったのかを考えてみるといいかもしれません。遺伝子の98%が同じだという類人猿たちの足は、掌のようにつかめる構造です。しかし、人間はまったく違います。人間の足がつかんだり握ったりするためのいものではないと思えてなりません。
と述べています。
う~ん、確かに。
ヒトが直立二足歩行をするようになった時点で猿とは進化の路線が変わってしまったので、猿にあてはめてしまうのは無理があるのかもしれませんね。
ただ、不安定な道を歩けばヒトは自然と指で地面をつまみます。
平らで障害物の上を歩かなくなったヒトは指の使い方を忘れてしまっています。
指が固まって機能していない方は実に多いです。
ですので指の機能を回復させたい時には地面を圧したり、指先で踏みしめるようにして歩くのはいいかもしれませんが、あくまでトレーニングとしてで、一番優先させたいのはやはりロッカー機能の回復なのだと思いました。
不安定な道でもまずロッカー機能でコロンと進めるようになればそれが自然な歩行の第一歩なのではなかと…
しかし、このロッカー機能、普通に考えればできて当り前のように思いませんか??
ですがいろいろな方の足を観察していると、出来ていない方が多いように思います。
つま先からいきなり接地している方や、逆にカカトをガンガンついて最後つま先に体重がのらない方、足の骨が指先も含め馬の蹄のように一体化していて関節が曲がらずドンドン音をたてて歩いている方…皆さんはどうでしょう?
普通であることが普通にできなくなってしまっている方が増えているように思います。
今一度歩き方をチェックして、自分がどんな状態で歩いているか、この機会に是非見直してみて下さいね。
今回は足の機能に焦点を当てましたが、次回はその部分をもう少し掘り下げ、足の使い方が身体全体に及ぼす影響を見ていこうと思います。
今までブログの中で「足と身体の歪み」についてご紹介してきましたが、間違った足の使い方は歪みだけでなく、身体の合理的な連携機能を台無しにしてしまうこともこの本でわかってきました。
笠原先生もセミナー中何度もおっしゃっていましたが、
足は足 身体は身体と考えてはダメ― と。
足と身体の連携がとれている方はやはりスタイルが良いです。
歪みが少ないだけでなく、筋肉が正しく使えているので筋肉のつき方がきれい
筋肉が正しく働くためには― やはり足の使い方が関わってきます。
次回は足と身体の機能的な関係をみていきます。
これを知ると足を正しく使おう!と思えてきちゃいます(笑)