Wake Up !

一人のヒーラーさんとの出会いから、私の世界が変わっていきました。

ケンちゃん

2024-09-05 17:51:16 | 日々のつぶやき

 ケンちゃんと呼んでいた知り合いが数人いた。

まず一人目は 妹と同い年の幼なじみで隣のケンちゃん。毎日、うちに「けいこちゃん、遊ぼうや。」と言って来ていた。

とても綺麗な男の子だった。バイトで喫茶店へ行って居た頃、友人のゆみこちゃんが「おかまのケンちゃん」と言っていた。

おかまのケンちゃんって誰? 話をしているうちに隣のケンちゃんだと分かった。彼を目当てに若い女性が店へ通っていたらしいが、 オーナーが同性愛者であるので知らない人はそう思ったらしい. その店はおしゃれな小物やアクセサリーが置いてあり 若い人の集まる店で 正月や連休、そこへ行けば誰かには会うような所で、周辺にもおしゃれなブティックが並び、この町の一番華やかで良い時代だった。

その頃の彼は女の子にモテたであろうが、全く関心がなさそうで、車だったみたいであった。そのうち仕事を替えて生業に付いた。でも趣味は変わらなかった。

彼が20代半ばの春の彼岸の大雨の夜、車の事故で亡くなった。改造した小さなハンドルになっていたらしい。とても痛ましい事故だった。

 2人目のケンちゃんは 同級生である。小学校、中学と一緒の事が多かった。10年前、中学の急遽クラス会をすることになり、地元の者が クラスメイトの行方を捜した。

彼とは高校が違うので 卒業以来あったことはない。個人情報保護法のせいで その高校の卒業名簿を借りても何の情報もなく、住所も電話も勤務先も何も載ってなく 白紙のまま名前が出ているだけだった。

偶然1998年の電話帳を見つけ、その住所に同じ姓が5件あり一つ一つ掛けて、彼の電話がわかった。

電話すると、息子さんだと言うがよく似た声。 数時間後 彼からの連絡があったが、クラス会の当日は娘さんが婚約者を連れてくるので残念ながら出席できないとの事だった。

勤め先を早期退職趣味の趣味のレゲエバーを経営しているとの事だった。後日、私も誘われたが その周辺のクラスメイトは彼の店に集まって数回飲んだらしい。

それから周1くらいで電話のやり取りが始まったが、会うことはなかった。 合コンするからおいでと誘何度かわれたが、いまさら感で気が引けるので 行かなかった。

数年後、伯母の葬儀で九州へ行った夜の電話が最後になってしまった。後日、彼の名前が新聞のお悔やみ欄に出ていた事を知らされた。合わずじまいだった。

3人目のケンちゃんは60歳で定年を迎えた後、地元で居酒屋を開いた。

「食べに行くよ。」と言ったまま、ユキちゃんも亡くなりそのままだったが、近くのスーパーで出会った時はゲッソリ痩せていて 声をかけると、

大腸癌の手術をしたとの事、コロナもあったことから彼の店があるかどうかもわからない。

70歳を迎えるとそんなものかと悲しくなる。


笑いそうな夏

2024-09-04 17:57:24 | 日々のつぶやき

 学生時代の夏の話である

同じ下宿の友人たちと近くの海辺の海水浴場へ行った。

夕方まで海岸で遊び 5時前シャワーを使おうとしたら 水が出ない! え!どうしよう…、管理人さんに聞くと、

「今は夕飯の準備をしているから 出ないけど落ち着いたら出るからね。」

 と言う言葉を信じて1時間待ち 出ない…。 2時間待っても出ないし、あたりは日がしずみ暗くなりかけていた。

信じられない事だけど、周辺の新興住宅地の水源は地下水だけで 水事情は悪かったのです。そのうち夕飯の後片づけの時間になるはずでいくら待っても出ないので私たちは国道までとぼとぼと歩いた。

 しかし、もう市内へのバスは終わっていた。

学生で お金はない。

 みんなでおしゃべりしながら、やっと市内へ入ったころには真っ暗。

そのうち 縁日に出会った。遊ぶ余裕もなく、下宿に着いたのは10時近く 当然銭湯にも行けず、洗濯場で冷たい水を浴びて塩を落としたが、小松政夫の惨め~みじめ~、が聞こえそうである。

何故か 夏の終わりの今思い出してしまった。

その後 友人の男の子が話を聞いて中秋の名月の夜その海岸へマイカーで連れて行ってくれた。(同じ下宿の女の子が好きだったらしい)

丁度翌日の試験はないので 彼の車に乗り出かけた。

大きなお月様が浮かんでいる、思わず海へ走り出てザブンと入ってしまった。そのまま泳ぐと手を動かす度、きらきらと夜光虫がヒカル。みんなで泳げば怖くない。

 連れて行ってくれた男の子は予期せぬ出来事で 砂浜で唖然としていた。

満足して海から上がった私たちは 彼の車を濡らすことが出来ないので、袋やバッグを置き腰を浮かして下宿まで送ってもらい、また洗濯場の冷たい水道を浴びる事になった。

翌日登校すると、もう話は伝わっており 憧れの君から軽蔑の目で見られ、嫌味を言われた。所詮そのくらいの男か?

でも、お月様は大きくってきれいだった事を覚えといるが、それ以来ドライブのお誘いはなかった。