石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

女性が出世しないのは誰のせい?

2011-10-09 23:16:47 | 活動レポート

今週号の「週刊東洋経済(10月15日号)」には、「女性はなぜ出世しないのか?」という刺激的な見出しが掲げられています。サブタイトルがまたいい --- 悪いのは男?女? さっき一気に読破したので、備忘録的に論点の紹介を。

つい先日、「均等・両立推進企業表彰受賞企業の取り組み」というタイトルでブログ記事を書いたばかりですが、やはりこの男女共同参画や雇用機会均等のテーマはこれからの日本の方向性を考える上でも重要なテーマになっています。 しかし、均等法の施行からもう25年が経過し、定期的に男女共同参画計画が立てられて実行されている割には、「進んでいない!」というのが実感です。

週刊東洋経済では、その中でもとりわけ「女性の社会進出や役員登用のレベルが低いのはなぜなのか?」という疑問を問いかけ、それに対する回答を探りながら問題提起をしています。

まずは、「女性の活用・登用」で日本は先進国で最低レベルにあることがあらためてデータで示されています。国連開発計画(UNDP)の『ジェンダーエンパワーメント指数』では日本はなんと57位。女性の賃金は男性の約3分の2(68%ぐらい)。そして管理職に占める女性の割合は・・・10%。ちなみに、国会議員の女性比率も11.3%で、これまた世界最低レベルです。

そして、その理由としてはさまざまな要因があることが挙げられていますが、結局は、男性側にも女性側にも問題があり、さらに社会の中にも、企業にも、政治にも問題があると。

特に、これは私もこの間ずっと主張してきた点ですが、日本における働き方、とりわけ「長時間労働」が大きな問題であることが訴えられています。「残業や休日出勤しなければ会社内で認められない、出世できない」という不文律がある以上、女性が今以上に能力を果たし、それが正当に評価されて出世・登用につながっていくのは難しいという観点です。

記事の中で紹介されているある企業の女性幹部が「残業をなくし、定時で帰る」ことにしたら仕事にもいい結果が出た、と紹介されていますが、本来、残業が例外であるべきで、それが実下出来れば日本の男女共同参画は劇的に変わると思っています。

ちなみに、「女活」先進国としてノルウェーの事例や、お隣の韓国・中国の事例も紹介されていますが、韓国の事例として紹介されているのが韓国テレコム(KT)の職場。KTでは、なんと、昨年入社組の女性比率が30%を越え、全役員の7.2%が女性になったそうです。

そして、海外の事例を挙げながら最も効果的と紹介されているのが「クオータ制」。そう、役員の女性比率を一定以上にすることを法律で決めてしまうやり方です。もともとノルウェーが先進的に取り組んだもので、なんと2003年にはすでに上場企業の取締役会で4割ルール(双方の性がそれぞれ4割以上であること)を適用しています。結果、取締役会の女性比率が4割以上だった上場会社は全体の17%に過ぎなかったのが、今では94%以上になっているそうです。

女性の社会参加、そして役員や幹部などの意志決定プロセスへの参画は、日本の将来にとって必要不可欠。そのためのカギを握るのが長時間労働規制とクオータ制だとすれば、それを政治の責任で推進するしかないですね。民主党の政策調査会に、前期に続いて「男女共同参画調査会」が設置されることが決まりましたが、これらの課題を調査会における大きな取り組み課題にしていかなくてはなりませんね。