石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

広島・藤の木小学校で「未来の授業」を見てきました!

2011-10-17 23:12:41 | 活動レポート

「ここ藤の木小学校での取り組みが礎となり、今後、教育のICT化が全ての学校へと進んでいった時に、"あそこから始まったんだ"と語り継がれるようになりたいと思って頑張っています」

これは、今日、視察にお邪魔した広島県広島市佐伯区にある「藤の木小学校」の校長先生の言葉です。大変勇気づけられる力強いお言葉で、このほとばしる熱意を聞かせていただいただけでも、今日、広島まで視察に行った価値があったと思っています。


今日視察に行ったメンバーと藤の木小学校の堀校長(左端)。右端には瀧本実・広島県議会議員(佐伯区)、その隣が橋本博明衆議院議員(広島三区)。

 

藤の木小学校は、昨年度から総務省が文部科学省と協力して実施している「教育におけるICT利活用を促進するためのフューチャースクール事業」の実証校の一つ。実証校は、東日本と西日本で5校ずつ、計10校あります。(ちなみに、今年度からは文部科学省の「学びのイノベーション事業」の実証校にもなっています)

今年1月に、東日本の実証校の一つ、東京の本田小学校に視察に行きましたが、東日本と西日本では担当の事業者や使用機器が違うことや、大都会東京と地方では学校を取り巻く環境も違うことから、今回はその比較や、半年経過した進捗状況の確認の意味も含めて、この藤の木小学校への視察をお願いしたわけです。

 

結論から先に言うと、大変有意義な視察になりました。以下、いくつかポイントを挙げると:

①現場でがんばっておられる先生方から生のお話が聞けただけでなく、何より子どもたちが目を輝かして授業に集中している姿を実際に見ることが出来たこと、②今年1月に東京の本田小学校を視察した時と比較して、授業の進め方やICT教材の利活用に格段の進歩が確認出来たこと、③東日本との端末の違いなどを実際に比較して見ることが出来たこと、④教育のICT化の展開に向けた課題をいくつか認識できたこと、などです。

特に、今後の展開に向けた課題については、これからあらためて総務省や文部科学省の担当の皆さんとしっかり議論して行きたいと思っています。

 

さて、では今日のハイライトを写真で紹介していきます。

授業は、第5校時のみの視察でしたので、1年生から6年生まで、全ての学年の授業を駆け足で回っていく形で視察をしました。

まずは2年生の国語の授業。タブレット端末で漢字の書き取りを練習しています。始める前には、先生が電子黒板を使ってお手本を示しています。

 

これは、6年生の理科の授業。化石についての勉強です。70インチの大画面プロジェクターに、実際の化石や、化石のようで化石でないものの写真・図を見せながら、みんなで化石とはどんなものかを学んでいます。

 

続いて、3年生の体育の授業。体育の授業にも電子黒板が活躍しています。驚きですが、確かに、マット運動や跳び箱などのお手本を図や動画で示すことができます。効果的! ちなみに、この体育館もWiFiが利用可能で、端末も何台か設置されています。ここは災害時に避難場所となるので、情報手段の確保として整備がされているのだそうです。納得。

 

これは4年生の音楽の授業。リコーダーの練習ですが、電子黒板上の譜面を見ながら、みんなでブレスのタイミングや演奏パートを確認しています。

 

お次が4年生の算数の授業。少数の計算練習なのですが、まず先生の説明を聞いた後、自分でタブレットPCのデジタルノート上に計算してみた結果を、隣同士で説明し合っています。いきなりクラス全体に説明するとなると怖じ気づく子どもも、まず隣同士で説明し合うとすっと入っていけるそうです。

 

そして5年生の算数の授業。黒板と電子黒板を並行的に活用しています。ICTは、既存のツールを置き換えてしまうわけではありません。補完し合うのです。授業は、単位量あたりの大きさの学習。タブレットPCのデジタルノートに書いた考えを、今度は電子黒板に映し出しながら発表し合います。

 

今度は、同じ5年生の社会の授業。自動車のマツダの工場見学に行って知りたいこと、調べてみたいことなどを、タブレットPC上のコラボノートに書き込んでいます。生徒がコラボノートに書き込むと、それが電子黒板や他の生徒のタブレットPCにも次々と現れていき、完成した時にはみんなの色々な考えが書き出された一つのプロジェクトが出来上がるのです。これはイイ!

 

これは2年生の算数の授業。三桁の引き算のやり方を、タブレットPC上の筆算ソフトを使って実習し、それを電子黒板で発表しています。

 

続いては1年生の読み聞かせ。今日はおむすびころりんのお話でした。紙芝居の電子版ですが、普通の紙芝居とは違い、絵が動いたり拡大されたりします。迫力が違いますね。1年生ですが、子どもたちは興味津々で見入っていました。

 

そして最後は、なかよし学級(特別支援学級)の授業。個別学習でタブレットPCを活用して、それぞれの習熟度に合った内容を勉強しています。この生徒は、地図の記号の勉強でした。

 

以上、駆け足で各クラスの授業を見て回りましたが、非常にスムースに授業が行われていたことに驚かされました。もちろん、最初は機器の不調や誤操作による遅れなど毎日のように問題が起こり、教える先生の側にも教えられる生徒の側にも混乱があったようです。しかし、先生方の信念とご努力によってここまで来たのですね。また、サポートのために常駐しているICT支援員の方の力も大きかったとのことです。

何より、「楽しい」「もっとやりたい」と授業に熱中する子どもたちの生き生きとした顔が先生たちの励みになったのだとか。「子どもが違う」と実感出来たことが大きかったようです。「もうICTのない学校では教えられない!!!」という先生方の言葉は、すでに東京の本田小学校でも聞いていた言葉です。

 

実は,最後の意見交換の場で、われわれもタブレットPCを体験させてもらいました。漢字の書き取り練習を実際にやってみたのですが、もう面白くって熱中しまくりました。なんと、書き順だけでなく、ハネもちゃんとチェックされるので、生徒一人一人が正しい書き順とハネを学ぶ事ができます。そして、多くの質問やレベルが用意されているので、自分の習熟度に応じて進めていくことができます。画期的です!

これは書き取りに熱中する瀧本県議の姿。

 

同行した田中秘書も童心に返って熱中。

 

いやいや、本当に充実した視察となりました。「生きる力を子どもたちに」と堀校長は仰っています。ICTで、「学びの質が変わる」のはもちろん、より積極的に「変えていく」とも仰っていました。その言葉、しっかり受け止めて、私たちも政治の側からサポートをしていきたいと思います。

最後に、今日、素晴らしい未来の授業を見せてくれた藤の木小学校の先生方と子どもたちに心から感謝します。ありがとうございました!