AKB48の旅

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思い出せる君たちへ~チームH「博多レジェンド」公演~ 5/11昼

2013年10月03日 | AKB
まずは絶賛したい。これは素晴らしい公演。やはり構成力のある人が選曲と人選をした上で、現場まで仕切ってると、まったく違ったものになる。新たな命が吹き込まれる。公演全体に流れが生まれて、見ててホントに心地よい。さっしーの才能の凄さを見せつけられる感じ。

全体曲は、やはりフリが揃わないし、どこか緩い感じがあってアレかなと思ったけど、なにしろ選曲が素晴らしいし、全員のビジュアルレベルが高いんで、なんとなくイケてしまってる。そんな中、熊沢さんや本村さんの身のこなしが光るかな。ラストに「言い訳Maybe」持ってくるなんて、言われてみて初めて気づけるレベル。

MCはうまいと思う。全員がしっかりしゃべれてるし、なにより構成がしっかりしてる。これまで見てきた「思い出せる君たちへ」だけでなく、去年までの「見逃した君たちへ」で見た全チームも含め、特定の個人技にも、お約束的なものにも依存することなく、これだけみんなでしゃべれるチームは、このチームHが初めてというか、ちょっと突出してるんではないか。

このあたり、この公演ではあまり表に出て来てないけど、さっしーの存在が大きいことが伝わってくる。メンバー全員が、事故ってもさっしーが助けてくれると思ってるのが分かる。だから攻めれるし、しゃべりに勢いが出る。躊躇とか迷いがない。さっしーが出ていない「バラエティ班」だけの時でも、そんな安心感が底流となって持続してることが伝わってくる。

ユニット曲は、選曲がずるいというか、「制服のバンビ」とか、さっしーが自分の好みでやったのが透けて見える。それでも名曲揃いなんで、それだけでオッケーな気分。中でも最初の「ガラスのアイラブユー」がくそカワイイ。「てもでもの涙」の森保さん、松岡さんは、この名曲に新しい風を吹き込んでくれた。今後は「てもでも」のスタンダードがこの二人になったと言って良いんじゃないか。

全体としては、こういうことはあんまり書かない方が良いんだろうけど、チームHの「上品さ」が印象的。ビジュアルレベルが高いとこれまで何度も書いてきたけど、ルックスとかはもちろんだけど、なんだろう、身のこなしとかの端々に、気品のようなものが漂う。しゃべり方とかの言葉遣いに、育ちの良さと言ってしまうとアレだけど、敢えて言おう、良い意味での「お嬢様」な感触がある。そこは、さっしーの「下品さ」と、見事な対比を形成してしまってる。

チーム比較という視点では、チームBIIの対極というとことになると思う。物議な物言いでは、上流階級と庶民みたいな、安易な対立軸で表現してしまいたくなる存在様式の違い。けれども、ここで言う「お嬢様」は、決して揶揄とかの意図はない。アイドルに必須の透明感、清潔感というのは、基本、幻想なんだけど、この「お嬢様」感が、そんな幻想に現実味を付与してるというか。しかもその上で、しっかりと全力でエンタテインメントしてくれてる。

漫画的な誇張表現で言ってみれば、「巨人の星」の花形満、「エースをねらえ!」の竜崎麗香が、現前してる感じ。こういう立ち位置にしてバランスに到達するには、相当な困難があったはず。チームHという上質の素材に、さっしーという異能の異物が混入することで、この「奇跡」が実現したと見て良いと思うけど、これはもしかしてとんでもないことなのかも知れない。