日韓関係悪化 問題の本質はどこに ワルシャワ蜂起記念式典に対するドイツ政府の対応

　日韓関係が悪化の一途。
問題の本質はどこにあるのか。
今回の輸出管理での優遇処置の「ホワイト国」待遇で
日本が韓国を除外したことで、韓国も同様の処置を取り、経済戦争に陥っている。
　元をただせば、「徴用工の賠償問題」
日本政府は、日韓国交回復に伴う取り決めですべて解決、と主張。
　しかし、韓国側は、民事訴訟としてこの問題が提訴され、個人の請求権の問題と主張。
韓国の最高裁判所が日本の民間企業に対して賠償を命じる判決を確定。
戦時中の慰安婦や徴用工をめぐる個人の請求権は消失していないというのが
日本政府の公式見解だったはず。日本政府が訴えられているのではなく、
戦時中の日本緒企業の非人道的処遇が訴えられている。
「すでに解決済み」と菅官房長官が「民事訴訟」にあれこれ言うべきことではない。
安倍政権の今の態度は、日本の最高裁判所の判決が不服だから何とかしろと他国から
文句を言われているのと同じ。そうなれば、たぶん、
「日本は法治国家、政府としては最高裁の判決を尊重する」と菅官房長官が言うのではないか。
それを政府が「ひっくり返せ」と言っているようなもの。
　けさのしんぶん「赤旗」の海外ニュース欄に「ワルシャワ蜂起７５年」
「ファシズムへの抵抗たたえる」と題した記事を読む。
当時ポーランドワルシャワを占領していたナチスドイツに対してポーランド国内軍と
市民が武装蜂起。圧倒的なドイツ軍の反撃。６３日間の戦いで
老人、女性、子どもを含む約２０万人の市民兵士が殺された事件。
この記念式典にドイツ政府外相が出席、「犠牲者や家族の皆さんに敬意を表すため来た」
「ポーランド国民のみなさんに許しを請いたい」と挨拶。
　今年は朝鮮３・１独立運動１００周年の年。「朝鮮独立万歳」を叫んで朝鮮全土で
巻き起こった日本の支配から独立を目指した朝鮮の人たちに対して
当時の日本政府がとった対応は徹底した武力弾圧。死傷者数千人。
　１９１０年朝鮮併合から敗戦、そして戦後から今日まで
日本政府は一度も、朝鮮の植民地支配に対して「遺憾の意」を表しただろうか。

ソウル市内、タプコル公園にある３・１独立運動を記念する１０枚のレリーフの１枚。