ひっさしぶりに泳いだ。
しかも海で。
私、いつも日焼けが怖くて海に行ってもほとんど泳がない。
日焼け止めを塗りたくって、帽子被ってサングラスして、木陰に座って、光合成しない、面白くないタイプ。
その私が泳いだ。
理由は → Ayti Bel Ayti Vet
ハイチの一番の問題のひとつ、と言っても過言ではない環境問題。
見よ、この裸の山々を!
木、切り放題。ハイチのほぼ全土がこんな感じだ。
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おかげで農業も全然できないし、
雨が降っても水は簡単に海に流れてしまう。
ハリケーンが来るとすぐに洪水になる。
その問題を、スイム・ウォーキング・バイクの3つのスポーツをしながら考え、行動しようというもの。
素敵なイベント!
でもやっぱり日焼けが・・・ あああ・・・と躊躇していたけれど、
友達のステファニーが
「やろう!私、銀とるから、ナオコは金ね」
と煽るから、、、
そう言われたらそら、やらなあかんやろ、、、とまんまとステファニーに策略にはまる。
2000年に現役を引退して以来、レースしたのはウーマンズ・スイム・フェスティバルのリレーの1回だけ。
あとはワールド・スイム・アゲンスト・マラリアで10km を2回泳いだくらい。レースじゃないけど。
昔のように泳げなくなっちゃってから、泳ぐことに全然情熱がなくなっちゃって、何かのためじゃないと、泳げないのだ。
とはいうものの、これは実はレースじゃなかったのだ。
ステファニーは散々盛り上がってたけど、
みんなで一緒に泳ぎましょう、という程度のものだったのだ。
実際、泳ぐのは1.5kmか、5km、と言われ、
私たち二人とも、冷やっとしたのだ。
私「5kmも泳げないよ・・・」
ステファニー「5kmも続けて泳いだことないよ・・・」
勝負どころか、もはや完泳さえ危ぶまれる。
当日。
泊まっていたホテルの朝ご飯が全然出てこなくて待っていたら、
7時集合なので20分も遅れてしまって、慌ててスタート地点のホテルに到着。
着いてみたらほとんど人がいない。
まさかのスタート出遅れ?!
あんなに意気込んどいて?!
と思ったら、単に、みんなまだ来ていなかった。
しかしオーガナイザーまで来ていないなんて・・・ イライラ!
出鼻をくじかれた。
結局スタートしたのは1時間20分遅れ。
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しかし!なんと!みんなフィンとか持ってる!!!
えーーーーーーっ。反則!!!
そうだ・・・ これは競争ではなかったのだ。
さらに、そろそろとビーチを歩いていると、
ゴーグルのゴムが切れた。
ずっと使っていないから、腐っちゃってた。
仕方がないからステファニーに予備のごっついダイビング用のマスクを借りた。
さらに、オーガナイザーに、「あ、あなたは泳げるから、一番後ろについてくれる?」と言われる。
えっ。
結局・・・ 最初の中継地点のホテルまでの1.5kmを、
最後尾でほとんど漂っている状態のハイチ人の女の子たちと一緒に泳いだ。
途中で彼女たちに足を掴ましてプルで引っ張ったり・・・
やっと1.5km終わって、彼女たちを岸に見送り、
私は5kmを目指して泳ぎ続ける。
でもほとんど誰も見えない。
おまけに同伴のカヤックはことごとく私の進路を邪魔する。おい!
やっと3人くらい追い越したけど、
腕が使い物にならない。
呼吸はしんどくないんだけど、腕の筋力不足。
キックは打てるけど。
全然進まない。
情けない・・・
何とかみんながいる地点に着いた。
誰かの別荘。
Good job!とみんな抱き合っている。
私は腑に落ちない気持ちで岸に上がる。
ま、これが今の実力ですし、誰も何も気にしていないし、みんな、よく泳ぎ切ったわね!とか言ってくるけど、
清々しい気分にはなれんのである。
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おまけに・・・
ステファニーはフィン着けて、一番最初にゴールしたらしい。
ふがーーー。
フェアな勝負はしていないけど、何かむかつく!笑
帰りは、泊まっているホテルのオーナーに、ボートで送ってもらって、ハンドル握ってみる。
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海が綺麗で、ほんのりと疲労も残り、爽快。
へなちょこスイムだったけど、オリンピアンとしては恥ずかしいけど、それを考えなければ、やっぱり気持ちいい。
もはやプライドは完全になくなった一日だったのでした。