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戦争を「おいしいビジネス」と勘違いした…日本人が絶対に勝てないはずの戦争に突き進んだ根本原因 202212

2022-12-27 02:27:14 | なるほど  ふぅ〜ん

戦争を「おいしいビジネス」と勘違いした…日本人が絶対に勝てないはずの戦争に突き進んだ根本原因
 プレジデント onlain より 221227   保坂 正康


 昭和史から私たちは何を学ぶべきか。ノンフィクション作家の保阪正康さんは、「日本人はもともと実利主義者だったのに、太平洋戦争では『八紘一宇』『神の国』といった抽象的な概念で戦争を始めてしまった。今後も、国が抽象的な、神がかり的な方向に進まないように注意する必要がある」という――。
※本稿は、保阪正康『昭和史の核心』(PHP新書)の一部を再編集したものです。

⚫︎なぜ日本は戦争をする決断をしてしまったのか
 昭和史から学ぶべきことは何かとよく聞かれる。

 軍官僚の空気で決まった日米開戦、翼賛体制に迎合したメディア、軍事主導体制に従った国民……など、顧みるべきことは数多くある。
 読者の脳裏にもさまざまな事実が浮かぶと思うが、それらを大局的にまとめるとおそらく、「なぜあのとき、世界を相手に戦争をする決断をしたのか」という素朴な疑問に突き当たるように思う。
 そのような愚を繰り返さないために知っておくべきことを知るというのが、これからの人が「昭和史に学ぶ」実利的な目的になるだろう。

 令和の今、昭和史を学ぶということは、その教訓を生かすための知識を身につけ、未来に応用していくという意味になろう。

⚫︎鎖国が日本人を「世界の田舎者」にした
 私は、日本人が鎖国によって、江戸時代に対外戦争をまったく経験しなかったことが、現代につながるアイデンティティーを形成したと考えている。
 当時の人々には「身分」の差があったが、その上から下まで全員が、自分たちの共同体の中だけで一生を終えていたのである。生まれ落ちた共同体は、生から死まで、その中で生きるようにできていた。
 これは重要なことだと思う。生まれてから死ぬまで、その内部のルールを守っていれば、安泰に過ごせる。戦争に対する危機感がないことは、戦乱の世だった欧米社会とは大きな違いとなった。
 そのような精神的状況下に長らく置かれていた人々は、どのような社会をつくったか、どのような文化を生み出したか、それが現代の我々に、どういう教訓を与えているか、改めて検討してみたらよいのではないか。

 昭和史を研究してきた私が一つ理解できたのは、「日本人は世界の田舎者だ」ということである。
「田舎者」などというとネガティブな意味に捉えられがちだが、私はプラス面もマイナス面もあると思っている。愚弄(ぐろう)したり卑下したりという感情からいっているのではない。
 つまり、農村共同体の中で、戦争を経験することなく、平穏に暮らしていた。その中で人生を終えた人々が七つか八つの世代にわたっていただろう。私はここに、それ以降の日本人の性格形成がなされたのだと考えている。

⚫︎日本が戦乱を経験しなかった215年間
 江戸時代の中でも、鎖国政策で国を閉じていた期間は1639年から1854年までの215年間である。この間に欧米では、清教徒革命(1642年)、アメリカ独立戦争(1775年)、フランス革命(1789年)、ナポレオン戦争(1803年)、クリミア戦争(1853年)など、世界史上の大事件とされる戦乱が広範囲でひっきりなしに起きている。日本人とは対照的に、欧米人は、いわば戦いが日常の世の中に生きていたのである。

 昭和史には、このような欧米社会との違いがよく出ている気がする。市民社会も、革命も、対外戦争も経験しなかった歴史は、日本人に国際社会に生きていく外交や軍事の手練手管を教えなかった。

 黒船来航以後、右も左もわからない状態で世界に出た日本は、見よう見まねで何とか格好がつくまでにはなったが、それ以上の知恵には、にわかには届かなかったということだ。

⚫︎「すぐ役立つ学問」が日本人の肌に合う
 学問的な面からも、これから昭和史を学ぶ必要性を考えてみたい。

 欧米の学問は、大きく二つに分けられる。一つは、「世界はなぜあるのか」「人間はなぜ存在するのか」など、哲学のように普遍的原理を突き詰めようとする形而上学。もう一つは、アメリカを中心に発展した、実学的、プラグマティックな学問である。

 日本では、プラグマティックな学問が伝統的に優勢である。具体的説明が歓迎されると共に、即効性があるほど重視され、「現世ご利益」的というか、実際に早く役立つ学説ならば、流行現象になるほどもてはやされる。
 こういう、プラグマティックな思考風土の中に、西欧的な思想として形而上的な学問を取り入れていったのが、近代日本の欧米化の過程だった。一部のインテリ層が、哲学のような学問の受容体となり、教師となって知的水準の向上に努めた。

 だから現代の大学でも、形而上学的な学問のほうが上に見られる構造になっている。建前として大学とは、実学よりも概念を学ぶ場所であり、学問業績は論文の出来で測られる。形而上学的なことを理解する能力が、知識人の条件とされるのである。
 最近は「新しい教育」などと銘打って、小学生に英語の日常会話を教えたり、中学校で株式投資の授業をやったりなどが歓迎される趣があるが、実は日本人としてはもともとそういうプラグマティックな学びのほうが、肌に合っているのである。

⚫︎共同体を壊さないための「損得勘定」
 つまり日本の庶民的共同体の考え方は、かなり実利的なものだということだ。自民党も、最近はそういう風情はあまり表に出さないが、保守的な地元への利益誘導が、有権者の投票動機となっていることに変わりはない。実利主義が政治の主役なのである。

 逆に言うと、日本人の実利主義はアメリカ人よりもずっと徹底している。それは、柳田國男や宮本常一の民俗学を読むとよくわかる。彼らが発掘した伝承話の数々には、そういう実利主義で生きてきた昔の人々の論理と情感が色濃くにじみ出ている。

 実利主義というと、同意語として「損得勘定」という言葉が思い浮かぶ。実利主義を支えている日本人の損得勘定は、自分たちの生を保障している農村共同体を壊さないための知恵だ。それを判断基準にすることによって、自分たちの生から死までの時間を守り抜くのである。日本人の心情と生活の根底には、鎖国時代に培われた実利主義が延々と生きているのである。

⚫︎日清・日露戦争と太平洋戦争の決定的違い
 こういう風に考えると、日本が太平洋戦争でうまくいかなかった理由もよくわかる。

 太平洋戦争に当っては、満州事変や「シナ事変」を批判する世界に対して、「八紘一宇」や「大東亜共栄圏」などの「正当な思想」を示すことが必要だった。一方、「臣民」に向けては、「神の国の正しさを世界に示す」という大義名分を掲げて、その実現のための「和」を求めた。つまり、実利主義ではなく形而上的な概念に従って戦争を選択する建前になってしまった。

 それまでの日本近代史において、戦争は正しいものだった。

 日清戦争や日露戦争について、いろいろ意見があるとはいえ、私には実利主義そのものに見える。日清戦争に勝って、日本は清国から台湾などの領土と3.6億円の賠償金を得た。戦費は2.3億円ぐらいだからそれを全部カバーした上で、その後の軍備増強資金も得ることができたわけである。

⚫︎「日本が得をする戦争は正しい」はずが…
 そうして強化した軍隊で、次の日露戦争を戦った。これもなんとか勝ちはしたけれども、不本意なことに賠償金は取れなかった。国民がそれを知って暴動を起こしている。三国干渉で受けた屈辱を晴らすとか、ロシア南下の恐怖を払拭するとか、いろいろなことが戦争の原因に挙げられているが、賠償金が取れなくて国民が暴動を起こすというところに、この戦争に対する真の期待が何にあったかが透けて見える。

 第一次世界大戦も含めて、近代日本の10年おきの戦争ラッシュには、実利主義という背景がある。つまり戦争が、政治・外交の延長ではなく、国家の営業品目になっていったのだ。戦争とは軍国日本にとって、賠償金を取って大儲けするためのおいしいビジネスと化したのである。

 あの時代の男子の多くが軍人を志した理由は、出自に関係なく立身出世ができ、時には爵位を得て華族になることも可能だったからだ。だが、その実態は戦地に赴任する営業マンのようなもので、出世を争って微差のために身を粉にする意識構造は、戦後のモーレツサラリーマンとほとんど同じようである。

 このような背景で、戦争は正しいものだった。もちろんそれは勝利を前提にしてである。

⚫︎太平洋戦争では原価計算ができなかった
 だとすれば、太平洋戦争については、実利主義できちんと計算して「今回はパスしておこう」となるのが自然だったはずなのだ。プラグマティズムで考えれば、後の研究で自明なように、まったく勝算は生まれてこないからである。
 帝国主義国家は、他国との戦争をするというときには、厳密な原価計算を行っている。その結果、いくらの利益が得られるかを示さなければ、国家プロジェクトとして裁可されないからである。

 太平洋戦争の場合、日本にはこの原価計算ができなかったのかもしれない。先に挙げた「八紘一宇」のようなスローガンはおおむね思想的なミッションを示しただけのものであり、実利主義的な説得力は持っていない。敵とする対象があまりにも大きすぎたので、「計算しなくても勝てば自ずと原価は合う」と思っていたのか。

 そのような面からの太平洋戦争研究も、今後の論点だと思う。

⚫︎日本人は実利主義に徹したほうがうまくいく
 ヒロイズムに溺れた昭和前期の失敗を教訓とするなら、今後の日本人もやはり実利主義に徹したほうが、うまくいくだろうと思う。


 📙保阪正康『昭和史の核心』(PHP新書)
 戦前と戦後というまったく異なる空間を受容し得た日本人の、生き方上手というか器用さというか、頭の良さ、ずる賢さ、さまざまな捉え方ができると思うが、このようなところをプラス評価する意識を持ちたいと思う。

 アメリカのプラグマティズムとそっくりそのままではない、日本的な実利主義の精神で生きていけばいい。
 形而上学など欧米の考え方の受け皿となった明治の思想家たちは、福沢諭吉をはじめとして皆、実利主義だと思う。彼らの思想が現代にも影響を遺しているのは、それだけの有効性を持ち続けているからである。
 私は福沢の『帝室論』を読んだときに、まさに戦後の皇室にあてはまることを、実利的な視点から言っているのに驚かされた。慶應義塾の学長を務めた小泉信三に皇室が信を置いていた理由がわかった。

⚫︎「抽象的理想」が日本を崩壊させる
 日本人は、おそらく政治的にも経済的にも抽象的な議論が苦手であり、従ってゴールのある目標を達成するのは得意だが、道なき道を先導するのは苦手なのである。
 それなのに、太平洋戦争においてはなぜか、概念の世界に入りこんでしまった。「天皇のために死ぬのは正しい」ということが示すように、具体的理由や主体的動機のない空間に入りこんでしまったのである。
 そういう空間での立ち回り方が、形而上学的思考習慣を持たない日本人にはわからなかったのに違いない。それで昭和前期までの、近代史としての日本は崩壊した。

 今後、我々が持つべき一つの判断基準は、国が抽象的な、神がかり的な方向に流れていないかであろう。その方向に政治も経済も文化も動き出したら、おそらくこの国の崩壊は近いのだ。リアリズムを強調し、実利的だと思える状況で動いているうちは安心である。そして、より良き実利主義を見出していくことが必要なのだ。


▶︎保坂 正康(ほさか・まさやす) ノンフィクション作家 1939年、札幌市生れ。
同志社大学文学部卒業。作家、評論家。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞、他に『 ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎文化賞、『 石橋湛山の65日』で第1回石橋湛山和平賞などを受賞。近現代史の実証主義的研究のために、これまで延べ4000人の人々に聞き書き取材を行なった。著書に『 昭和陸軍の研究』『 東條英機と天皇の時代』『 吉田茂 戦後日本の設計者』『 昭和史 七つの謎』『 あの戦争は何だったのか』『 近現代史からの警告』『 世代の昭和史』など多数。
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🚶‍♀️…天ヶ瀬ダム前…塔の島…Alp… 221226

2022-12-26 17:33:00 | 🚶 歩く
🚶‍♀️…右岸堤防道…朝霧通…観流橋…右岸路…山吹橋…白虹橋:天ヶ瀬ダム前…左岸路…天ヶ瀬吊橋⇅…左岸路…松嵐橋…白川浜橋…左岸路…網代の道…喜撰橋🍁…塔の島:橘島…橘橋…塔の川堤防道…宇治川左岸河川敷…槙島農地:幡貫.郡…宇治川高架橋…Alp:Rハット🍜…右岸堤防道…>
🚶‍♀️12451歩3kg12F

🌤:白虹橋7℃:風やや強く冷たい

塔の島,塔の川沿に残🍁 この時期に未だ楽しめる。

夕食後:年賀状をやっと作成する気に…
 結果何とか就眠前に終了
何とか間に合ったかと…
 早くに年賀状形出来てたのに…
毎年何故か気が…もらって嬉しいくせに。

🌙四日月がバッチリ👀木星👀




喜撰橋袂

塔の川

記念碑

塔の川堤防道

比叡山に又も冠雪
南中の月





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🚶‍♀️…宇治川沿…大手筋商店街…観月橋〜 221225

2022-12-25 18:22:00 | 🚶 歩く
🚶‍♀️…右岸河川敷…隠元橋…左岸堤防道47km碑…左岸河川敷…左岸堤防張出道…左岸堤防道沿向島庚申町☂️…🌈向島宇治線…🌂観月橋…右岸堤防道…平戸橋…近鉄高架側道:旧奈良街道…京阪線沿西沿道…大手筋商店街:OS💊↩️…御香宮参道…桃山アイロード…京阪観月橋〜🚉…右岸堤防道…>
🚶‍♀️12007歩3kg  (31万歩越え)

🌤:一時小雨:隠元橋9℃観月橋8℃
🌈途中,にわか小雨(傘潰れる)で🌈👀!
 
大手筋商店街:普通にクリスマス商戦,我慢して何も買わず。





🌈








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⚠️ 新たな戦争…日本が「オーストラリアと台湾」を参考すべき理由 202212

2022-12-25 03:41:38 | 気になる モノ・コト

新たな戦争…日本が「オーストラリアと台湾」を参考すべき理由
 幻冬社ゴールド onlain より 221225  渡部 悦和


 かつて日本人にはハングリー精神があり、経済分野において米国に追いつき追い越せという勢いがありました。しかし、その目覚ましい経済発展のピークは1990年前後までです。元・陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏が著書『日本はすでに戦時下にある すべての領域が戦場になる「全領域戦」のリアル』(ワニプラス)で解説します。

⚫︎オーストラリアと台湾を参考すべき
 ■全領域戦(All-Domain Warfare)の視点が重要

 最近、我が国において中国の統一戦線工作に関連した書籍が出版されるようになったことは喜ばしい。それらを読むことによって日本への工作の一部(政界・財界・学界・メディアなどへの浸透や、日本の不動産の購入など)を理解することができると思う。

 しかし、それらの書籍は、サイバー戦、宇宙戦、電磁波戦、認知戦や影響工作などの様々な戦いを網羅しておらず、外国勢力が日本に仕掛けている戦いの全体像がみえない欠点があった。 

 私は、外国勢力が日本に仕掛けている戦いを小さな視点ではなく、軍事・非軍事を問わない全領域戦という広い視点、体系的な視点でとらえることが不可欠だと思っている。

 全領域戦を仕掛けられている日本は危機的な状況にある。中国の全領域戦に対処できていないのだ。

■日本はオーストラリアと台湾を参考にすべきだ

 中国の日本への工作にいかに対処するかを考える際に非常に参考になる国がオーストラリアと台湾だ。両国は中国から激しい工作を受けているが、その工作に耐えている典型的な国家である。

 まず、オーストラリアは、かつては親中国であったが、現在は中国に堂々と対峙していて、日本が見習うべき国だ。その大きなきっかけとなったのは、本連載でも紹介したクライブ・ハミルトンの『Silent Invasion』(邦訳『目に見えぬ侵略』山岡鉄秀監訳 飛鳥新社刊)の発刊であろう。

 私は、2018年8月に上梓した『日本の有事』(ワニブックス【PLUS】新書)で、『SilentInvasion』を要約して紹介したが、当時の日本ではあまり知られていなかった。現在は邦訳版が出ているので是非読んでいただきたい。

『Silent Invasion』にはオーストラリアに対する、じつに驚くべき中国の工作の数々が紹介されている。この『Silent Invasion』を読んだ多くのオーストラリア人がその内容に驚き、議会を中心にして中国の工作を阻止しようとする動きが活発化したのだ。

 そして、その動きは新型コロナの発生を契機として本格化している。とくに現首相であるスコット・モリソンが「新型コロナの発生源について徹底的に調査すべきだ」と主張したことに反発した中国は、オーストラリア産石炭の輸入停止措置、大麦やワインへの制裁関税を相次いで発動した。そのためにオーストラリアは甚大な経済的被害を受けた。
 モリソン首相は、「いかなる国も経済的な威圧の対象になってはならない」と主張し、厳しく中国を非難している。

 また、解放軍の脅威に対抗して、米英とAUKUS(米、英、豪の軍事同盟で、2021年9月15日に発足)を結成するとともに、米国から原子力潜水艦を導入することを決定するなど、安全保障面での努力をしている。
 また、中国で開かれる冬季オリンピックに対しても外交的ボイコットを決断している。以上のようなモリソン首相の決断を日本も大いに参考にすべきだろう。

⚫︎台湾の隅々にまで中国の影響力は及ぶ
 中国が核心的利益と主張する台湾に対しても中国の全領域戦がおこなわれている。
習近平主席は2019年1月の演説で、①解放軍による軍事的圧力、②対外的な台湾の離隔、③浸透工作と政治体制の転覆、④中央統一戦線工作部との連携(=統一戦線工作の実施)、⑤サイバー活動と偽情報の拡大、という5つの対台湾工作を重視するとした。

これらについて少し解説を加える。

①解放軍の台湾に対する圧力に関しては、大量の解放軍機や艦艇を頻繁に台湾周辺で活動させている。これは台湾軍(とくにパイロット)に対する疲弊戦(台湾軍を疲弊させてしまう戦い)であると同時に、台湾国民に対する心理戦(圧倒的な中国の軍事力に対する無力感を醸成する戦い)でもある。

②対外的な台湾の離隔については、台湾と外交関係にある諸国に圧力をかけて外交関係を断絶させること、国連やWHOなど国際機関への台湾の加盟を拒否することにより実現している。

③浸透工作と政治体制の転覆に関しては、あらゆる分野への浸透工作をおこなうとともに、蔡英文政権の転覆を狙った工作を実施している。
 政治の分野では国民党が親中国政党であり、中国の立場を代弁している。2024年に台湾の総統選挙があるが、そこで国民党の候補が勝利すると、中国への併合がやりやすくなるだろう。
 経済界も中国本土に進出している企業が多く、中国の飴と鞭の工作の影響を受けやすい。最近、中国政府は中国本土に進出している台湾企業・遠東集団に対して約16億円の罰金を科した。
 理由は、環境や土地使用に関して違反があったというものだが、本当の理由は遠東集団が台湾与党・民主進歩党の大口献金者であったことだ。
 その一方で、台湾企業や個人に経済的な優遇や中国公民と同等の権利を与えることと引き換えに、親中国陣営に囲いこんでいる。
 メディアの分野でも親中国系メディアが存在し、中国の代弁者となっている。また、台湾軍にさえ中国のスパイが入りこんでいるのは公然の事実だ。このように台湾社会の隅々にまで中国の影響力は及んでいる。

④統一戦線工作については、台湾に22の親中組織と親中政党(国民党)が存在し、その多くが犯罪組織に関係していることが確認されている。これは、人脈をあらゆる分野(政治、経済、メディア、企業、軍隊、警察など)に拡大するための手段だという。

⑤サイバー戦については、中国本土の武漢所在で台湾や南アジアを担当する解放軍の戦略支援部隊の技術偵察局の第六局には61726部隊が存在し、この部隊は台湾に対するサイバー攻撃の主力である。台湾の国防報告書によると、台湾はつねにサイバー攻撃を受けており、最近の2年間で14億回もの攻撃があり、しかもその数は増加し続けているという。
 また、台湾行政院情報通信安全局長は2021年11月10日の議会で、一日に約500万件のサイバー攻撃やスキャン(サーバーの弱点を特定する試み)を受けていると証言している。いずれにしても膨大な数のサイバー攻撃を中国から受けていることは明らかだ。
 2020年1月11日におこなわれた台湾総統選の際には、中国は台湾に対する大規模なサイバー攻撃を仕かけたという。さらに、サイバー空間を利用した偽情報の拡散による影響工作や、スパイ活動もおこなっている。

 以上のように、つねに中国本土からの工作を受けている台湾は、米国などの民主主義諸国の応援を得ながら中国の工作に耐えている。

 日本としては、台湾の状況を注視しながら、そこから多くの教訓を得て、中国の対日工作を撃退する資とすべきであろう。

世界が驚く奇跡の経済発展を遂げたが
■真珠湾攻撃から80年:日本は相変わらず国家戦略なき国家

 2021年12月8日は、真珠湾攻撃から80年の日であった。
この80年で日本はいかなる変貌を遂げてきたのだろうか。先の大戦の敗戦により我が国は経済などあらゆる分野でどん底から出発せざるを得なかった。日本人は、その勤勉な国民性を発揮して世界が驚く奇跡の経済発展を遂げ、世界第二位の経済大国になった。

 当時の日本人にはハングリー精神があったし、経済分野において米国に追いつき追い越せという勢いがあった。しかし、その目覚ましい経済発展のピークは1990年前後であり、1991年のバブルの崩壊以降は「失われた30年」と言われる停滞期に入り、そこから抜け出せていないまま現在に至っている。そして、世界における日本の存在感は右肩下がりの状況になっている。

 一方、中国は日本の失われた30年を尻目に、目覚ましい経済発展を遂げ、いまや経済的にも軍事的にも米国と覇権争いをするまでに国力を増大させている。経済力と軍事力において中国は日本を抜き去り、その差は拡大している。

 中国の現状には多くの問題が存在するが、米国に次ぐ世界第二位の国力をもった国家になったことは否定できないであろう。

 この日中の違いは何なのか。

 私は国家として戦略をもっているか否かの違いだと思っている。

 中国の超限戦は邪道ではあるが、厳しい国際社会を生き延びていくひとつの戦略だと思う。しかし、日本には超限戦に匹敵するようなしたたかな国家戦略がない。

 本文でもふれた書籍『超限戦』では、〈21世紀の戦争は、すべての境界と限度を超えた戦争で、これを超限戦と呼ぶ。この様な戦争であらゆる領域が戦場となりうる。すべての兵器と技術が組み合わされ、戦争と非戦争、軍事と非軍事、軍人と非軍人という境界がなくなる。〉との主張がなされている。

 これは私が主張する全領域戦の考えと合致する。しかしここまでの厳しい認識を日本人がもっているとは思えない。

 日本人は、「平和がノーマルで戦争がアブノーマルだ」と思っているが、世界的には「平和がアブノーマルで戦争がノーマルだ」と思っている人たちが決して少なくない。

 日本の政治家は能天気に、日本の国是は「専守防衛」「敵に脅威を与えない防衛力の保持」「必要最小限の自衛力の行使」だと主張している。

しかし、『超限戦』では、
〈敵国に全く気づかれない状況下で、相手の金融市場を奇襲して、金融危機を起こした後、相手のコンピューターシステムに事前に潜ませておいたウイルスやハッカーの分隊が同時に敵のネットワークに攻撃を仕掛け、民間の電力網や交通管制網、金融取引ネット、電気通信網、マスメディア・ネットワークを全面的な麻痺状態に陥れ、社会の恐慌、街頭の騒乱、政府の危機を誘発させる。そして最後に大軍が国境を乗り越え、軍事手段の運用を逐次エスカレートさせて、敵に城下の盟の調印を迫る。〉

 と主張しているのだ。

 まずは、この日本と中国のギャップを認識し、全領域戦で戦いを仕かける相手に対していかに対処するかを真剣に検討すべきだ。


▶︎渡部 悦和前・富士通システム統合研究所安全保障研究所長
元ハーバード大学アジアセンター・シニアフェロー
元陸上自衛隊東部方面総監
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🚶‍♀️…🌈隠元橋…伏見区向島清水町↩️…Alp📚2 221224

2022-12-24 21:30:00 | 🚶 歩く
🚶‍♀️…右岸河川敷…隠元橋🌈…左岸堤防道47km碑+…伏見区向島清水町農地⇄…左岸堤防道47km碑…隠元橋…右岸堤防道…Alp📚…右岸堤防道…🏡…右岸堤防道…Alp📚…右岸堤防道…>
🚶‍♀️13022歩2kg17F+111歩

🌤:割と陽射し有り:隠元橋6℃:強冷風。
 隠元橋より運良く伏見丘陵に🌈👀
 散歩時,雨予報だったが晴れる。
夕焼けもきれい。星空も◎

📚購入で一度帰宅。
 不二家はイブで行列が!

夜)🚙↔︎伏見Std👭 室温10℃。


📚学研の科学:プロジェクター,今がわかる時代がわかる世界地図2023,ゴジラ&東宝特撮,ニホンの神様•聖地マップ,古事記•日本書紀探訪ガイド,人類超長期予測,人体の超基本,図解血管を鍛えると超長期健康になる,ヨガのすべてがわかる本(文章),おもしろ雑学日本地図のすごい読み方。 又も年末まとめ買い3倍ポイント/ゴジラ本見つけつい…予算オーバー3ヶ月…とは言え…


桃山丘陵に🌈


今夕




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