名古屋を拠点として全国100カ所もの障がい者のグループホームを展開している株式会社「恵」が不正請求を行い、厚労省から「事業取り消し」、「連座制」も適用されすべての事業所が閉鎖される。
このままでは入所者が路頭に迷ってしまう。経営者は「事業譲渡」を模索しているという。
今日のしんぶん赤旗には、「なぜ起きたのか」と1ページの記事が掲載された。
声として
暴言浴びせ精神疾患に
ご飯のお代わりを禁止し、皿を舐める利用者までいる。入浴を2日に1回に減らす、おやつを出さない、掃除をしない、夜間巡視をせず、記録だけ偽造するなど、不正の限りを行っている。不満を訴える利用者は力ずくで部屋に押し込む。暴言を複数の管理者で浴びせ利用者を精神科病院に入院させる。
栄養考えていない食事
食事は栄養を考えられているとはとても思えない。毎日こんなのを食べさせられているかと思うと、やるせないです! 請求書も領収書ももらっておらず、自分の計算と引き落としの金額が合わない。これでは何のための施設なのか、安心して預けられないし、死んでも死にきれない。
催涙スプレーを検討!?
GH入所後に暴れてしまい、「うちでは見られない」と言われて入院。退院後にGHに戻るとエリアマネジャーが「今度荒れた場合は催涙スプレーを使っても良いか」。私たちはすぐに反対して、実際に使われることはなかった。
・・・22日付赤旗より
職員の声も紹介し、ここには自公政権による「規制緩和」「株式会社参入」という新自由主義があること。障がい者福祉に営利企業参入を推進してきた結果であることを暴露している。
私は思い出した。
バブル崩壊の象徴であった「ジュリアナ東京」を経営し、その後、介護の「コムスン」、人材派遣の「グッドウィル」を起こし、数々の違反、そして破綻させたことを思い出す。
この経営者は、「起業」の成功者として経団連の理事にまで登りりつめ、成功者としてマスコミにもとりあげられていた。
まさに新自由主義の「あだ花」といえる。
こうしたことを、あらためて思い出した。
「恵」のホームページでは、「ビジネスモデル」として大々的に宣伝している。
実体は「とんでもないモデル」であった。
地域では、地道に障がい者施策に取り組んでいる人たちが多くいる。少ない報酬でがんばっている関係者への冒涜だ。
政府は、第2、第3の「恵」がないのか? 調査すべきだ。
そして原因をはっきりさせ、障害者を路頭に迷わせないために、最後まで責任を負うべきだ。