10日付しんぶん赤旗に「教員に『新たな職』狙う政権」と題して、教員の間に新たな上下関係を持ちこもうとしている動きを報道した。
もともと学校は校長と教頭の管理職以外は、職階に差のない教諭で構成されていた。
これが校長、副校長、主幹教諭、主任と「ピラミッド」型に進んでいった。
その結果、「職員会議」は形骸化し、行われなくなったところも増えていったという。そして「上意下達」の学校運営だ。
教員がどうなっていったか。
その例として記事の冒頭に、
「人がカネと時間をかけてつくった成果を盗むのか」と学年主任が新任教員を叱責。
私はぞっとした。
子ども目線ではなく、教員の「成果」を自分のものとして、他の教員に教えない。
これでは全国展開している「塾」の先生の立場ではないか。
「成果なきものは去れ」ともいえる過酷な競争にさらされる大型の「塾」。熾烈な競争におかれる民間企業ではないのか。
これでは「チームワーク」は育たない。
日本の大手企業が、アメリカの「成果主義」賃金を導入し失敗している。(20年ほど前に元富士通人事部にいた方が本を出している)
日本の技術の強みであった「チームワーク」は壊され、自分が身に着けた技術は教えない、教えて自分がぬかれたら損をするからという利己主義的な人間関係が生まれた。いわゆる「極端な出世主義」だ。
こうした時期から「ヒューマンリレーション」が強調され、最近では「エンゲージメント」だ。
土台を壊しておいて、盛んに精神主義を強調している。
学校が、同じように変化している。
私は過去、「いじめ」相談を受けたが、教員は上に連絡するだけであった。教員チームの対応は、まったく感じられなかった。
教員の「孤立化」が進んでいるのでないか。長時間労働とともに。
本来ならば、教員同士が力を合わせて子どもに対応していかなければ。
これが「人を育てる」「人格の完成」をめざす学校の役割ではないか。
自民党のせ政治害悪だ。