「三諸(みもろ)の 神奈備(かむなび)山ゆ との曇り 雨は降り来ぬ 天霧(あまぎ)らひ 風さえ吹きぬ 大口の 真神の原ゆ 思いつつ 帰りにし人 家に至りきや」(万葉集)
「万葉集」には、「明日香の神奈備山」が詠まれています。古代、飛鳥の人々が神様が特別に来臨(らいりん)すると考えていた聖なる山です。
平安時代の歴史書である「日本紀略」には、829年の項に「大和國高市郡賀美郷甘南備山の飛鳥社を同郡鳥形山に遷す。神の託宣に依るなり」と記されています。この記事にある鳥形山には、飛鳥坐神社(明日香村大字飛鳥)が鎮座していて、この場所が平安時代以降、新たに「明日香の神奈備山」となったようです。
この移動によって「明日香の神奈備山」の所在が不明となりました。現在有力な候補地として、雷丘(いかづちのおか)説、甘樫丘(あまかしのおか)説、岡寺山説、ミハ山説などがあるようです。
はたして、古代の人々にとって「三諸(みもろ)の 神奈備(かむなび)山」は、一体どこなのでしょうか。思いを巡らせながら、歩いてみました!
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