奈良県明日香村の中央を流れる飛鳥川は、万葉の歌にも多く登場する河川です。万葉集では、明日香川と記されていることが多いようです。現代では、飛鳥川と記されています。飛鳥は、まだ新緑がとても綺麗です。
今回は、新緑に囲まれながら流れる「飛鳥川」の風景を紹介したいと思います。
飛鳥川の源流は、明日香村の南東の畑・入谷地区や芋峠に発します。
奥飛鳥である栢森・稲渕地区の谷あいを流れ、祝戸で平地に出て冬野川に合流し奈良盆地南部を流れ大和川中流部に注ぎます。全長約24㎞の河川です。
今回紹介するのは、万葉集にも詠まれた稲渕地区の石橋のある風景と、その上流にある栢森地区の飛鳥川の風景です。
明日香村を流れる飛鳥川には、栢森・稲渕地区の村を守るしめ縄がかけられています。上流にある雌綱(栢森地区)と、下流の雄綱(稲渕地区)は、毎年1月に新しくかけかえられます。
〇稲渕地区の飛鳥川の風景
稲渕地区の入り口にある「男綱」から、飛鳥川上流域にある日本で一番長い名前の神社「飛鳥川上坐宇須多伎比売命神社 」付近の風景です。この神社は、「皇極女帝」(のちの斉明女帝)の雨乞いが、南無天踊りとしていまに伝わっています。
「明日香川 明日も渡らむ 石橋の 遠き心は 思ほえぬかも」作者不詳
(訳)「明日香川、明日にでも渡って逢いに行こう。石橋の遠い先の見通しなど思いもよらないのです。」
〇栢森地区の飛鳥川の風景
栢森地区の入り口にある「女綱」から、集落の中の川の風景と芋峠の入り口にある「ごろ滝」の風景です。
「今日もかも 明日香の川の 夕さらず かはづ鳴く瀬の 清けくあらむ」 上古麻呂
(訳)「今日もまた明日香川では、夕方になるといつもカエルの鳴く瀬がすがすがしいことだ。」
新緑に囲まれながら流れる飛鳥川沿いの散策は、とても気持ちがいいですよ!
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