茨城県の「古墳探訪」シリーズ、前回は「茨城県のくれふしの里古墳公園」を紹介しました。
今回は、国の史跡に指定されることになった「茨城県の磯浜古墳群」探訪(3)を紹介したいと思います。
茨城県大洗町磯浜町の「磯浜古墳群」が、2020年に新たに国の史跡に指定されることになりました。この磯浜古墳群は、太平洋に注ぎ込む那珂川河口から南西約3km、鹿島台地の北端近くに位置する古墳時代前期から中期初頭の古墳群です。海のそばの丘陵地にある、古墳群です。
「磯浜古墳群」は、前方後円墳や円墳など形の違う六つの古墳からなります。形や大きさが異なる古墳が1カ所に集中しているのは珍しく、学術的な価値が高いと判断されたようです。その、いくつかを紹介したいと思います。
「日下ケ塚(ひさげづか)古墳」(全長101メートルの前方後方墳)、「姫塚古墳」(全長29メートルの前方後方墳)、「車塚古墳」(直径88メートルの円墳)、「坊主山古墳」(墳長約60mの前方後円墳)は、いずれも3世紀中頃から4世紀の古墳時代築造されたとみられています。
この古墳群の中では一番大きな「日下ヶ塚古墳」では、長大な粘土槨が確認され内行花文鏡や変形四獣鏡、石製模造品、玉類、鉄製品、木製櫛など4000点に及ぶ副葬品が出土して、ヤマト政権との密接な関係が想定される古墳時代前期後葉の代表的な前方後円墳であると考えられています。発掘調査の結果、勾玉(まがたま)や青銅製の鏡、石製の模造品など副葬品約4千点が出土しています。特に石製の模造品は奈良で出土したものとうり二つで、ヤマト政権と密接な関係にあったとみられています。
「磯浜古墳群」が、国の史跡に指定されると知り、大洗町教育委員会に資料等を貰いに行ったのですが、なんと新進気鋭の若い学芸員さんが直接案内をしていただき、しかも説明までしていただきました。
古墳探訪のなかで、「坊主山古墳」だけは丁度発掘調査がおこなわれていて中に入って見ることができませんでした。他の古墳は、丘陵の住宅地にあり看板等もあって近くで見ることができました。特に、巨大な円墳である「車塚古墳」は入り口に柵がしてありましたが、自由に入ることができました。三段築成の円墳ですが、斜面には当時のものと思われる拳大の礫や埴輪のかけら?と思われる物もみうけられました。「磯浜古墳群」は、古墳時代前期から中期初頭までの古墳が1カ所に集中していて、大変珍しい古墳群を見ることができました。ご親切にも学芸員さんに案内していただき、説明までしていただきました。とありがとうございました!
〇「日下ケ塚(ひさげづか)古墳」(全長101メートルの前方後方墳)
〇「姫塚古墳」(全長29メートルの前方後方墳)
〇「車塚古墳」(直径88メートルの円墳)
〇「坊主山古墳」(墳長約60mの前方後円墳)
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