Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

今年のITビジネスは?

2005-01-04 | Business
 日経の報道によると,2005年の企業のITへの支出額は,全世界で前年比3.9%,北米で前年比7%増加する見通しらしい.日本ではどれくらいになるだろうか?世界全体あるいは米国の約半分として2.0~3.0%程度のの成長は見込めるだろうか?
 たとえ市場が3%以上拡大したとしても,ソフトウェア開発やシステム構築のビジネス環境が,これまで以上に厳しいものになるのは間違いない.中国やインドに代表される海外勢のオフショア開発サービス会社と国内の下請け/孫請け会社群との競争は一層激化するだろう.特にインドからのITアウトソースの伸びは2002年から2003年で300%を超えていたと報道されており,2003年から2004年の伸びも同等以上であったと推定されよう.このままでは,発注側で仕様書をちゃんとまとめられるような場合のプログラム開発の大半はインドで開発することが「普通」になってしまうかもしれない.
 日本でのソフトウェア開発やシステム構築では,発注者側で「仕様書」をちゃんと決められない(文書化できない)場合や,非常に「旧態然とした設計」が行われている場合が少なくない.そのようなプロジェクトでは,日本人のSEやコンサルタントが張り付いても「仕様決め」や「基本設計」がスムースに進まない場合が多い.しかし今後は,そうした場面でも,日本語も英語も堪能な優秀なSEやコンサルタントが海外から沢山やってくる日もそう遠くはなさそうだ.
 このような状況において,我々の取るべき戦略は.....
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Jason's Library (認知科学)

2005-01-04 | Cognitive Sc
 この数年,認知科学や心理学に興味がある.この春に,いま博士論文をまとめている研究に一区切りつく予定なので,次は認知科学にも本格的に取り組んでみたいと思って,昨年後半から色々なテキストを読み始めた.
 スタンフォード大学の Terry Winograd 先生編著による「ソフトウェアの達人たち」は,ソフトウェアやシステムのデザインに関わる,様々な側面を「認知科学」またはその近傍から俯瞰したオムニバス形式のテキストである.Lotus社の元CEOで,Lotus 1-2-3 の開発者の一人である Mitchell Kapor が心理学を専門に勉強していたことは本書で知った.
 ソフトウェア,情報システム,情報機器のデザインを生業とするすべての人に推薦したい一冊である.


ソフトウェアの達人たち?認知科学からのアプローチ

Terry Winograd 編著

ピアソンエデュケーション


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Jason's Library (情報学)

2005-01-04 | Informatics
 「情報学」とは,いわゆるコンピュータ・システムが処理する情報のような狭い範囲を扱うものではなく,人文学,社会学,メディア学,認知科学,生物学,言語学,計算機科学,数理科学,システム科学,および通信工学等にまたがる,学際的なものである.
昨年の2月に出た,東大の西垣通先生の「基礎情報学」は,生物としての人間からみた「情報の意味」について,問い直すものであり,日本語で書かれた「情報学」の基礎論としてはベストのものの一つだと思う.
私のように情報システムをデザインすることを生業としている人だけでなく,組織のマネジメントやコミュニケーションに関わる人にも特に推薦したい.


基礎情報学―生命から社会へ

西垣 通 著

NTT出版


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