Dr. Jason's blog

IT, Engineering, Energy, Environment and Management

ITの省エネルギー -トランスメタの行方-

2005-01-24 | IT
 低消費電力CPUの開発会社のTransmeta は, 経営支援を受けられる戦略的パートナー を探していると報じられている.
 同社は,一時期, ライセンス事業に特価してCPU開発からは手を引く可能性 も伝えられていた.いまのところは,製品ラインを縮小して,従業員のリストラなどと並行して,経済的支援をうけられる戦略的パートナーを探していこうという戦略のようだ.
 元来の,X86互換の低省電力CPUという着眼そのものは,そう悪いものではなかったと思う.しかし,IntelやAMDが,Transmetaの製品に刺激され,それまでの自社CPUよりも"比較的低消費電力な"製品を出してきたことによって,性能と低消費電力性のバランスにおいて,IntelやAMDの対抗製品との差が出しにくい状態になってからは,差別化が難しくなっていたように見える.
 ソフトウェアの開発の容易さから,ユビキタス,情報家電などの組み込み製品にも高性能なX86互換のCPUもどんどん使われているし,また,組み込みシステムでの高性能と低消費電力へ相反する要求はどんどん上がっている.日本では,昨年, NECが技術提携 しており,その成果は今年の何らかの製品に反映されてくるだろう.
 省エネルギーというと,発電や冷暖房,交通システムなどに注目しがちだが,ITの省エネルギーも重要な課題である.低消費電力CPU技術の本当の勝負はこれからと言えるかもしれない.
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