無線脳の視点

無線関係のモノ・ヒトに毒された日常を地味に書いてみる。

AR-DV1雑感その2 1702Dファームアップその後ほか

2017年04月28日 | 無線機器
2016年のアマチュア無線のイベント「ハムフェア」で華々しく登場し、無線(受信)マニアらの間でずいぶん話題になったのがアイコムの IC-R8600 デジタル対応広帯域受信機である。
年が明け2017年の春になり、満を持しての販売開始とともに好調な滑り出しを・・・と思いきや、「そんな程度だったら現状はAR-DV1で良くね?」という評価になっている。(2017年4月28日時点)

というのも、デジタル消防無線やデジタル鉄道無線なんかが受信復調してくれないというのは賢明な人なら分かろうものだけど、ごくごく一般的に使われている方式に対応していないのはあまりに謎仕様だ。
 DMR = 非対応
 C4FM = 非対応
DMRは世界中で使われているし、C4FMに至ってはバースタではあるけれどアマチュア無線の規格として使われているものだ。
いくらJARLがICOMと結託してD-STARを推進したからと言って、ライバル会社に対するこの仕打ちはあるまい。
ネット上の意見で多かったのが、デジタル簡易無線・ARIB-STD-B54系の業務用無線で、別途数字の入力が必要な通信に対して、数字を探してくれる機能が無いというのは残念な仕様であり、せっかく高い買い物をする側としては魅力が半減する。
私の近い存在の人で、IC-R8600を買った人の中のうちアイコムのサポートに電話やメールで直撃してみた!という人がやったという会話やメールのやりとりを要約すると「そんな勝手にそっちが期待してただけで、説明書に書いてあることしかできませんからwww」という塩対応をされた、とのことである。(JRCにARIB-STD-B54規格の無線機をOEM供給しといて「その仕様は何ですか知りませんよそんなの」的な)
私はIC-R8600を買ったお客さんじゃないのでこれ以上の辛口意見(笑)は控えるが、せっかくキレイな箱に入れてもらった高級ソフトウェアラジオなのだから、今後のソフトウェア(ファームウェア)アップデートに多少の期待はしておこう。
現状のIC-R8600がソフトウェア黎明期だと考えたら成長の余地は多分にある・・・と思いたい。

さて。
話を戻してAORのAR-DV1の話題である。
前回のAR-DV1のエントリーから時間が経過し、現在まで数回のファームウェア更新を経過した中てずいぶん機能性能がアップしたように思う。
AR-DV1が発表された当時、受信させる内部ソフトウェアの仕上がりがイマイチだったことから考えると、相当オトナになった。
(製品発表時のハムフェアで、AORの説明員は「売るモノが無かったからフライング気味で発表しちゃったぃ」のようなニュアンスを語ってたけど)

先般提供が始まった1702Dファームウェアによって、NXDNタクシー無線やARIB-STD-B54系無線、デジタル地域振興無線をコンプリートし、デジタル簡易無線のユーザーコード(UC)を表示、逆トーン設定やトーン・DCS解析も出来るようになった。海外のサポートページには1702Dの記載は日本の発表から少々遅れて提供されたから、厳しい目を持つ(?)日本のユーザーに対し、メーカーも少々気を遣っているような感じになっている。(と勝手に思っている)
日本で公式にアナウンスはしていないものの、D-STARの復調の際、内部デバイスの個体差により周波数を2kHz程ずらさないと復調しないというのがあったようだが、現行で出荷されているAR-DV1は内部部品の変更対策が行われている。

去年、アイコムでもモックアップのみの展示があったデジタル対応のハンディ型受信機だが、このあたりはまだアイコムからの追加発表は無い。
今の製造技術があれば、基板の集積度を上げて手持ちサイズの筐体に詰め込むことは可能であろうが、ネックは消費電流と電池の問題だと思う。
専用のリチウムイオン電池パックを使っても、せいぜい3時間ぐらい動作させられるぐらいなんだろうな、と予想している。
対するAOR側も、開発コストとの兼ね合いから、どっかの会社の無線機の筐体や電池パックを流用してでも詰め込んでやる!という荒技をしてくるかもという想定(期待)をしている。

-----
2017/10/3 追記
ハムフェア2017でAORはデジタル対応ハンディ型受信機 AR-DV10 を発表、VS社のFTA-550、FTA-750に良く似てるw

最新の画像もっと見る

コメントを投稿