量販店の催事疲れで廃れる「ボージョレ解禁」

バブル期に日本に定着し、その後もしばらくは盛んだった…
今日は、ボージョレ・ヌーボーの解禁日。
世界中同じ日でも、日付変更線に近い極東にある日本は、世界で一番早く解禁を迎えると、その昔は大騒ぎでした。

フルボトルでは飲みすぎる、ハーフボトルでは物足りない。500mlボトルを購入。

しかし、コンビニでもどこでも大陳されていたかつてに比べれば…
レジ近くにサイズ別3種類がひっそりと陳列されているだけ。ボージョレ解禁のお祭りはすっかり過去の話です。
なんで、こんなに廃れたのでしょうか?　戦犯は、西友とイオンという話もあります。
デフレ時代に安モノ売りで有名な両チェーンが、安けりゃ何でも良いとペットボトルの粗悪品を大量販売したので、ファンが去ってしまった。
諸説ありますが、もう少しまじめにやっている量販チェーンの立場から考えてみました。

量販チェーンでは、販売促進、売り上げ増のために季節ごとに催事販促を行いました。
以前は、クリスマス、バレンタインあたりが主流でしたが、それでは売り上げが一定期間に偏る。
それで…
節分は恵方巻、バレンタインにホワイトデー、ひな祭り、端午の節句、お盆に、ボージョレー、クリスマス。
間が空いている時期には、イースター、土用丑の日にハロウィンも仲間に入れましょう。
これで通年かけて何かしら販促が打てて、売り上げ増大となったわけです。
実際は、それぞれの当日まで色々な商品を、行事に絡めて売り出しを行えれば売り上げはズバリ倍！
例えばクリスマス、12月に入れば店頭をディスプレーで飾り、クリスマスプレゼント商戦。
クリスマス（イブ）までいろいろ売って、当日はケーキとフライドチキンに専念すればガッポリ…のはずでした。
しかしその一方、コンビニなど個人経営店は、ノルマや売れ残りの従業員による買取りなど問題も大きい。
お店によっては、絶えず繰り返される催事販促に疲れも出てきました。（多分）
効果の少ない催事は止めようよ…という話です。（多分）

最も、催事効果が少ないのは何でしょうかね?　それが「ボージョレ解禁」だった。
先に書いたように、当日の前からイベントが打てるからトータルで売り上げが増大するのです。
ボージョレ解禁は?　ボージョレの解禁日を祝う催事なので、事前には何もなし。フライングはできない。
しかも当日を祝うのが目的で、他にもっと美味いワインがあるので、解禁日を過ぎればボージョーレ・ヌーボーも価値がない。
お店にすれば、在庫リスクだけで何の旨味もなかったのでしょう。
今日お店では、レジ前でひっそり数本が並んでいるだけでした。