食品の、商品開発や技術開発に従事しウン10年たちました。
ここ数年、やたら強調されるのがSDGsであり、その考えには異論をはさむものではありません。
この100年間、人間て奴は好き勝手にやってきて急に方向転換、極端から極端とも思えますが、
いまだ好き勝手にやっているプーチンなんかより、悔い改めたという点でよほどましということでしょう。
そもそも、人口増加といわゆる発展途上国とされた国々の経済力向上による食物(特に畜肉類など環境負荷の高い食物)需要の増加に
気候変動、環境破壊、そしていまだプーチンがやっている戦争などの要因が加わり食物供給には陰りが出ている。
このままでは、人間は喰っていけなくなるという危機感が食品におけるSDGsの発端なのですが…
いま日本では、食品の値上げが繰り返されています。
需要供給バランスの崩れに、コロナや戦争に伴う物流の混乱、そして急激な円安によるものですが、十分につらい状況であっても、
この先のことを考えると「高くても物があるだけまし」「金を出せば買えるだけまし」なのかもしれません。
世界における日本の経済的地位の低下に、円安は、買い負けで、日本人は自分たちの食物を確保できなくなるかもしれない、
「円を持っていても、国内に買える食品が存在しなくなる」時代が来るかもしれません。
話が先に進みすぎました、そのSDGsですが、食品においては代替たんぱく質やフードテックっといった姿に形を変えて一種の流行になっています。
すなわちこのままでは、たんぱく質をみんな大好きな肉や魚で採ることができなくなる!という危機感によるものです。
肉や魚以外のたんぱく質を何とか美味しくできないか、新たなたんぱく源はないのかという話になってきます。
①コオロギとかの昆虫は優れたたんぱく源
②一応今のところ、供給に余力がある大豆たんぱくを使ってお肉みたいなものを作りたいなぁ
③そもそも、美味しい肉を家畜ではなく、人間の科学技術でつくってやろう
という話が進んでいるのです。
①は、昔イナゴ食ったよねという先祖返りの様な話。うまく加工したら昆虫は栄養価だけでなく美味いのです。
②は時代の変化を感じます。
例えばハンバーグ、高級レストランの2000円前後のものから、マルシンハンバーグのように100円もしないものまで。
この価格差、もちろん使用する肉のグレードもありますが、安いものほど「大豆たんぱく」特に「粒状大豆たんぱく」というものが大量に使用されています。
大豆需要の多くを占める「大豆油」、当然搾りかすが発生するのですが「かす」というのは失礼な、安価で優秀なたんぱく源です。
この「かす」を精製加工すると「大豆たんぱく」が出来上がり、水で戻してうまく味付けすると一見ひき肉のようなものが安く出来ます。
こいつを低質のお肉に混ぜてやります。低質のお肉はお肉の味はあっても、お肉のプリッとした食感はありません。
逆に、粒状大豆たんぱくは食感の塊なので、安いハンバーグでもお肉をたっぷり食べた気分だけは味わえるのです。当然栄養価は優秀。
つい10年ほど前までは「お肉の安価な増量材」だった「大豆たんぱく」が今では立派に「植物性のお肉」としてもてはやされているのですからずいぶんな出世です。
③これはもう、食品なのか何なのかよくわかりません。日本よりアメリカなどではやっているのですが、
得体のしれない培地で、細胞を培養し、究極的にはお肉の塊が出来上がるというもの。すでにSFの世界が現実になっています。
②の技術で「謎肉」なるものを作り大儲けした某社は、今大変熱心に③を研究しているという話も業界紙等では…
数年前、ステーキ肉ちょっとがウン千万円と言われてましたが、技術革新に需要はコストの引き下げを推し進めます。あと何年かすれば十分に手が届くものになるのでは?
食品価格高騰しかテレビでは叫びませんが、食品の世界は企業だけでなく国家機関も巻き込みこんな話になってきているのです。
今から30年前、大手乳業会社に就職が決まった私が「カロリーメイト」を食べていたら、担当教授に叱られた。
「日本を代表する食品企業に勤めるあなたが、そういったもので食事を済まそうなんてもっての外だ!」30年前のお年寄りの考えです。
食品会社に入って四半世紀は、勤務先も変わりましたが、「美味しい食品」を開発し提供するこの一点こそが仕事に対する誇りだったのです。
しかしここ5年ほどので、食品を取り巻く環境や、流れは大きく変わりました。SDGsそしてそのさきフードテック。
これまで当たり前にできた「本物の美味しさ」を追求して、お客様に「適正な価格で提供する」ことが確実に難しくなっているのです。
時代は確実に変わりました、この大きな変化に、50を過ぎたおっさんは戸惑い、ついていくことに窮しているのです。30年前の担当教授と同じ立場です。
バターと小麦粉、牛乳と適当な調味料や香辛料があれば、旨いベシャメルソースを作る自信はあります。
ひき肉と野菜、トマト、香辛料があれば、それなりのミートソースを作ることもできます。
でもそんなことは既にあまり役に立たない時代になってきています。老兵は去るのみ。と言われているようで最近は本当に仕事がつまらないのです。
*わ~っと書いたので、誤字、誤変換ご容赦
ここ数年、やたら強調されるのがSDGsであり、その考えには異論をはさむものではありません。
この100年間、人間て奴は好き勝手にやってきて急に方向転換、極端から極端とも思えますが、
いまだ好き勝手にやっているプーチンなんかより、悔い改めたという点でよほどましということでしょう。
そもそも、人口増加といわゆる発展途上国とされた国々の経済力向上による食物(特に畜肉類など環境負荷の高い食物)需要の増加に
気候変動、環境破壊、そしていまだプーチンがやっている戦争などの要因が加わり食物供給には陰りが出ている。
このままでは、人間は喰っていけなくなるという危機感が食品におけるSDGsの発端なのですが…
いま日本では、食品の値上げが繰り返されています。
需要供給バランスの崩れに、コロナや戦争に伴う物流の混乱、そして急激な円安によるものですが、十分につらい状況であっても、
この先のことを考えると「高くても物があるだけまし」「金を出せば買えるだけまし」なのかもしれません。
世界における日本の経済的地位の低下に、円安は、買い負けで、日本人は自分たちの食物を確保できなくなるかもしれない、
「円を持っていても、国内に買える食品が存在しなくなる」時代が来るかもしれません。
話が先に進みすぎました、そのSDGsですが、食品においては代替たんぱく質やフードテックっといった姿に形を変えて一種の流行になっています。
すなわちこのままでは、たんぱく質をみんな大好きな肉や魚で採ることができなくなる!という危機感によるものです。
肉や魚以外のたんぱく質を何とか美味しくできないか、新たなたんぱく源はないのかという話になってきます。
①コオロギとかの昆虫は優れたたんぱく源
②一応今のところ、供給に余力がある大豆たんぱくを使ってお肉みたいなものを作りたいなぁ
③そもそも、美味しい肉を家畜ではなく、人間の科学技術でつくってやろう
という話が進んでいるのです。
①は、昔イナゴ食ったよねという先祖返りの様な話。うまく加工したら昆虫は栄養価だけでなく美味いのです。
②は時代の変化を感じます。
例えばハンバーグ、高級レストランの2000円前後のものから、マルシンハンバーグのように100円もしないものまで。
この価格差、もちろん使用する肉のグレードもありますが、安いものほど「大豆たんぱく」特に「粒状大豆たんぱく」というものが大量に使用されています。
大豆需要の多くを占める「大豆油」、当然搾りかすが発生するのですが「かす」というのは失礼な、安価で優秀なたんぱく源です。
この「かす」を精製加工すると「大豆たんぱく」が出来上がり、水で戻してうまく味付けすると一見ひき肉のようなものが安く出来ます。
こいつを低質のお肉に混ぜてやります。低質のお肉はお肉の味はあっても、お肉のプリッとした食感はありません。
逆に、粒状大豆たんぱくは食感の塊なので、安いハンバーグでもお肉をたっぷり食べた気分だけは味わえるのです。当然栄養価は優秀。
つい10年ほど前までは「お肉の安価な増量材」だった「大豆たんぱく」が今では立派に「植物性のお肉」としてもてはやされているのですからずいぶんな出世です。
③これはもう、食品なのか何なのかよくわかりません。日本よりアメリカなどではやっているのですが、
得体のしれない培地で、細胞を培養し、究極的にはお肉の塊が出来上がるというもの。すでにSFの世界が現実になっています。
②の技術で「謎肉」なるものを作り大儲けした某社は、今大変熱心に③を研究しているという話も業界紙等では…
数年前、ステーキ肉ちょっとがウン千万円と言われてましたが、技術革新に需要はコストの引き下げを推し進めます。あと何年かすれば十分に手が届くものになるのでは?
食品価格高騰しかテレビでは叫びませんが、食品の世界は企業だけでなく国家機関も巻き込みこんな話になってきているのです。
今から30年前、大手乳業会社に就職が決まった私が「カロリーメイト」を食べていたら、担当教授に叱られた。
「日本を代表する食品企業に勤めるあなたが、そういったもので食事を済まそうなんてもっての外だ!」30年前のお年寄りの考えです。
食品会社に入って四半世紀は、勤務先も変わりましたが、「美味しい食品」を開発し提供するこの一点こそが仕事に対する誇りだったのです。
しかしここ5年ほどので、食品を取り巻く環境や、流れは大きく変わりました。SDGsそしてそのさきフードテック。
これまで当たり前にできた「本物の美味しさ」を追求して、お客様に「適正な価格で提供する」ことが確実に難しくなっているのです。
時代は確実に変わりました、この大きな変化に、50を過ぎたおっさんは戸惑い、ついていくことに窮しているのです。30年前の担当教授と同じ立場です。
バターと小麦粉、牛乳と適当な調味料や香辛料があれば、旨いベシャメルソースを作る自信はあります。
ひき肉と野菜、トマト、香辛料があれば、それなりのミートソースを作ることもできます。
でもそんなことは既にあまり役に立たない時代になってきています。老兵は去るのみ。と言われているようで最近は本当に仕事がつまらないのです。
*わ~っと書いたので、誤字、誤変換ご容赦