眇めオヤジの独り言

初老で始めたブログも、寄る人もないまま、いつしか定年を迎えた。
あいもかわらず、気ままに書き連ねていく。

博士の愛した数式

2007-04-20 | 読んだ本
ベストセラーになった本ですが、つい最近読みました。
ちょっと設定に違和感があります。

物語の対象となる博士ですが、元数学の学者というキャラクターに描かれています。
素数にこだわる性格などですが、率直に言ってあまり学者らしくない。
文系の作者なので無理なのでしょうけど、博士の学位を取った研究が片鱗も出てきません。
単なる数学愛好家、もしくは数字にこだわる知的障害を持った方にしかみえません。
昨年テレビで,いくつか放映されました自閉症スペクトラムの障害です。

博士は、脳の障害で80分の記憶しか持たないと言う短期記憶の障害がある設定になっています。
それはいいんですけど、交通事故が原因と言うのが、医学的にどうかな?
記憶障害の原因としては、よく知られた認知症、あるいはビタミン不足、あるいは脳梗塞が知られています。

若年性アルツハイマーでは、若年性とは言え40歳以降の病気なので、この小説の設定の30歳台では無理がありますね。
交通事故でもないことはないかな。
おぼろげな記憶では初めて短期記憶障害についての論文の患者は,交通事故によるものだったかもしれません。
おそらく、作者はそれを参考にしたのでしょう。

でも、外傷よりもその後食事が取れず、点滴栄養でビタミン不足に陥ったことが原因としたほうが医学的にはぴったりしますね。
そこまで求めるのは、意地悪いかもしれません。
でも、短期記憶障害の描き方も漫画的ですし、最後に80分の記憶もなくなるという障害の進行があったとするのも無理がありますね。

数学者と言えば、一月ほど前にNHKで東北大の女性教授を取り上げていました。
僕と同世代の方でしたが、まさに数学者として理想的な生活を送っていました。
朝30分、徒歩で通勤し、コンビニで買った食事をしながらメールチェック。
そのまま一日中室内で研究=思考に没頭し、時折授業とゼミ。
昼食も自室で取り、夜遅くまで研究室にこもる。

普通の人から見入ると、何が愉しいんだろうと思うかもしれませんが、本人は最高に充実していると思います。
脳内活性物質がばんばん出ていますね。
男でも、このような生活はできるでしょうけど、やはりいろいろ他に目が行きそうです。

こういう生活もあるなと、ちょっとうらやましかったですね。
自分では無理ですけど、、、

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