眇めオヤジの独り言

初老で始めたブログも、寄る人もないまま、いつしか定年を迎えた。
あいもかわらず、気ままに書き連ねていく。

空海と密教美術展

2011-07-31 | 紀行、歴史
久しぶりに国立博物館に行ってきました。
駅から博物館に向かう途中にある噴水のある広場が、工事中で囲われていました。
かなり広範囲なので、大回りしなければいけません。

博物館入り口に着くと、思ったほど人がいません。
けっこうゆっくり見られそうです。

特別展は、いつもどおり平成館ですが、ほんとにこの建物どうにかならなかったのですかね?
雑風景でプレハブかと思えるほどの外観です。
他の建物が重厚なので、余計に目立ちます。

チケットを切ってもらって2階に上がります。
さすがに入り口は人だかりです。
1点目で渋滞が起きています。
絵巻物ですね。
とりあえず人だかりはパスしてざっと見ることにします。

三筆といわれた空海の書にも渋滞ができています。
小中学校では書道は苦手でしたのですり抜けます。
ちら見ですが、若いころの書は緻密ですね。
非常に几帳面に書かれています。
晩年になるほど、自由に奔放な筆遣いになったようです。
結構熱心に見ている人が多いので、これもお目当てになっているのでしょう。

曼荼羅まで来て、やっとゆっくり見られるようになりました。
見慣れた曼荼羅ですが、空海が日本に始めて伝来させたのですね。
いつもながら繊細な描写には、驚きます。
黒くまったく見えない曼荼羅は、黒字に銀で書かれたそうで、
TV画面では繊細な画像が映し出されています。

仏具と美術品のコーナーに入りました。
仏具にも精密な彫刻がなされています。
白檀にほった仏像にも感嘆します。
しかし、やはり圧倒されるのは仏像です。
密教系の仏には、不動明王に代表されるように異形が多いのですが、
本当に異形の神のオンパレードです。

仏教は、仏陀の本来の思惑と関係なく、いろいろな民族の神を取り込み、
仏の従神としてきました。
その他国の神が、異形の仏として表現されています。
空海が東寺に創造した仏像の空間は、インドから中国そして日本までに
わたる間に築かれた知の集大成でしょう。

その仏が、空海の思想とは切り離されて、一つの美術品として鑑賞できます。
それが良いか悪いかは別にして、やはりこんな経験は京都や奈良では味わえません。
私は、国東が非常に好きなのですが、元祖密教の世界を見ると、
やはり半島自体が密教空間なのだと、改めて感じさせられました。






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