考える英語 (英作で英会話上達!)

身の回りの事から、社会情勢まで、幅広い事柄を、自分の知っている簡単な英語で表現していきます。英会話教室をやっております。

『抽象と具体思考』英語表現のコツ

2015-03-10 18:48:57 | 英語学習
前問では、『月面着陸』を考察した。
考えると、月面着陸とは、人が月に到達することであり、意味的には先の『月へ行く』と同じことである。

同じ事柄を、より抽象的に言うか、具体的にいうかの違いである。なぜ表現を変えるか。同じ事柄でも、抽象と具体で、伝わり方が異なるからである。月に行った、という事柄を、わざわざ月面着陸した、と具体的に言った方が、リアルで、視覚的に訴えると共に、物理的な苦労が伝わってくる。日本語で話す時に、無意識的にこういった表現を効果的に、レトリック(修辞技法)を駆使して、相手にわかってもらえるように、話す。その為に、同じ事柄でも、様々な語彙と、表現形式がある。

母国語であれば、豊富な語彙を土台として、場面に応じて、最適な表現で言い表すことができる。しかし、外国語においては、圧倒的に語彙数が不足している状態なのにも関わらず、母国語と同じ水準の表現をしようとするところに、悲劇が生まれる。何も言えなくて途方に暮れる、もしくは不自然極まりない直訳調の英語で、まったく外国人に通じない、という事態である。

では、どうすればよいのか。

⒈海外留学すること。
現地の人と生活を共にして、英語漬けの毎日を送る。これに勝る外国語学習は無い。

⒉広範囲の情報収集(国内での学習)
ペーパーバック等を継続的に読むこと。小説を読むことは、他人の人生を追体験すること。限られた自分の人生では経験し得ない、幅広い世界と、様々な領域の英語表現と語彙を吸収することができる。膨大な時間と熱意が要るが、海外留学と共に、ペーパーバック等の読書は、あらゆる表現を学ぶために、最適かつ最も効果的であろう。場面に最も適した言い方を習得するために必要不可欠である。

⒊考える
考えることにより、表現の応用力を最大限にする。言いたいことを、考えることにより、簡素化、本質化して、表現領域を拡大する。

本来的に言えば、語学をやる上で、上記の第1と第2が、当然理想的である。縁に従って、大いに海外に行く、もしくは、状況に応じて、どんぴしゃりの最適な表現を習得するために、多くのペーパーバックを読み、映画を観るなり、するべきである。

しかし、学習者の皆が、留学できるわけでもないし、一日中勉強できるわけでもない。中年以降、シニアの方なども、記憶力が年々減退しつつあるという嘆きもある。忙しい主婦や、ビジネスパーソンの方々も、小金はあるが、時間はないという方ばかりだろう。時間もないし、体力もない方の方が多いのでは。では次善の策として、何をするかというと、考えることなのである。考えて、表現したい事柄の正体を看破する。その諸々の努力と試みが、考える英語及び一連の英作修行の狙いである。

先の『抽象と具体』の考え方は、英作を行う上でなぜ必要なのかというと、限られた語彙、表現の制約の中で、一つの事柄を抽象的にもしくは、具体的に考える内に、どちらかの線で、自分の言いたいことに類似した表現を発見する契機となるからである。これに関しては、おいおい英作問題をやりつつ詳述していきたい。


※もちろん英作だけやれば良いのではない。英作は、極めて重要な練習であるが、同時並行で良質な英語の吸収に努めることが必要なのは、論をまたない。ペーパーバックでも雑誌でも、映画でも、あらん限りの英語媒体を駆使して、自然な英語の吸収に努力したい。インプット(読書、リスニング等)とアウトプット(英作、会話等)のバランスが取れて初めて努力は実る。

学びて思わざれば則ち罔し(くらし)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)。

論語の言葉である。学習と考えることの両立を心がけよ、ということ。偏ることを戒めている。英語も同じであろう。中庸(バランス)が肝要である。
コメント
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