おひさしぶりです。スピカです。
前にお会いしたのは、お正月を挟んでの頃でしたね。早いもので、もう今年も半分過ぎようとしています。
今回は、アンデルセン童話の「人魚姫」を、わたしなりに解釈して書いてみました。前の「雪の女王の物語」は、お話の流れや組み立てはほとんど原作に忠実にやっていましたが、今度の「人魚姫のお話」は、原作を土台にして、わたし独自の工夫をし、かなり大胆に組み立て直して、オリジナルに近いものになっています。
物語を書くことは、わたしも大好きですが、完全にわたしのオリジナルと言える作品は、かのじょの器の中では書かないつもりです。まあ、気分が変わることもあるかもしれませんが、夢幻詩語のカテゴリの中では、昔の神話や民話、おとぎ話などを土台にした、うつくしくもかわいらしい作品を、書いていきたいと思っています。
かのじょも、生きていたら、もっとたくさんの物語を書きたかったことでしょう。それはそれは美しい物語を、彼女は書くことができる。それを、やむを得なかったとはいえ、途中で無理やりやめさせてしまったことに、わたしたちも重い小石のような痛みを胸に抱いているのです。できることならあのまま生かしてやりたかった。けれどももう、かのじょは限界を超えすぎていた。
かのじょのかわりに、わたしが、かのじょが好きな美しい物語を書いてあげたい。そうすることがわたしの、かのじょへの愛なのです。
もうすぐ、かのじょの誕生日です。生きていたら、53歳になります。このお話を、かのじょの誕生日のお祝いにしましょう。喜んでくれたらうれしいのですが。
明日から七日間に分けて、発表していきます。しばらくの間、お楽しみください。