国内旅行は高い
そんな懸念で、実は海外旅行需要は伸びていた。
だがしかし、ここ最近の原油高で完全に頭打ち。サーチャージ(燃料高騰時の旅行代金追加措置。燃油特別付加運賃の事)だけで渡航費を上回るような状況では、海外旅行の予算が立て辛く、旅行機会自身が萎んでいた。
まあ、実は当方でもシリーズでエントリしているように、原油先物をはじめ、先物商品全般が既に暴落しているので、早晩回復基調に乗ると思われるが…。
まさにその価格のピークが8月にくるとはな。中国当局は夢にも思わなかっただろう。
今年一年を振り返って、中国を襲った様々なネガティブな出来事が全部なかったとしても、このような経済状況では北京五輪ツアーの成功は難しかっただろう。まさに悪魔的タイミングの原油価格ナイアガラであった。
IZA!で、次のような記事が掲載されていた。
■食・騒乱でイメージ悪化 旅行の国内回帰追い打ち
(サンケイビジネスアイ)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/164795/
当然、中国当局は北京五輪景気を期待していただろう。
しかし、蓋を開けてみれば前年同期比較で6割減という。これは五輪開催月と考えると、壊滅的打撃と見ていい。俺、職業柄、ひとんちの会計システム部門の中身はよく覗いているのだが、前年同期比較で売上高6割減なんて数字は見た事がない。恐るべき数字である。
この記事では、旅行会社が北京五輪パック旅行を売り出してから、中国で起こった様々な事件を時系列で紹介している。
要約すると、以下のような感じ。面白かった。
1月末 中国製冷凍ギョーザ事件発覚。
2月頃 五輪パック旅行発売直後。売上好調。人気種目日程は即日完売。
3月頃 チベットの暴動
エクストリーム聖火リレー
4月 四川大地震
7月 五輪パック旅行が全然売れない。半分近く売れ残る。
1月末の冷凍ギョーザの件も、チベットの暴動の件も、大地震も全て解決していない。単に中国当局が緘口令を布き、有耶無耶にしただけである。有耶無耶に一役かっている日本政府への不信感も、中国へのネガティブなイメージとして変換されている感があり、さらに未解決な印象を深めている。
もう、中国には、頼みの綱は「安さ」しかないのだが、その頼みの綱すら、原油高騰のピークにより絶たれた。これから市場価格の暴落が始まるのに、その事も、日本国内ではほとんど報道されない。
原油がまだ上がるなら、今の方がまだ安かろうという真理の妨げになるからだ。日本のメディアは、出来るだけ中国への痛みを軽減しようと、健気に頑張っている。
そうして、これらの事件と、経済事情にプラスして、まだネガティブ情報がプラスされる。
「安全」に対する懸念である。
霞む大気。飲めば必ず体調不良になる水。メディアがいくら隠蔽しようにも、中国出張の日本ビジネスマンを通じて、ネットで広がるクチコミの公害情報。
おまけに、テロの頻発。かなり情報が規制されているが、貧民層の暴動も絶対に起こっているはずである。なんせ3ヵ月前ぐらいまでは毎日発生していて、常に情報が入ってきていたのだから。
そこから、さらに北京五輪は、中国特有の政治条件が加わる。
例えば、「頑張れ!ニッポン」等の横断幕の禁止。
当局に言わせれば「ありとあらゆるアピールは許さない」のだそうだが、つまりは「フリーチベット」やら「法輪功弾圧反対」やら、そーゆー、数えたらきりがないようなアピールをまとめて粉砕するつもりなのだろう。
これだけ悪条件が揃っていては、俺はむしろ、よく前年同期6割減で済んだなと思う。
現在、北京パック3割引とか、それどこのスーパーやねんとツッコミを入れたくなるような状況らしいが、そこまでしてもきっと売れないんだろうな。
逆に、都内ホテル宿泊プランとか、自宅待機需要は急騰しているようだ。
薄型テレビ周辺とか。某ビデオカードのドライバにパッチを充てたらダビング10(旧コピーワンス)回避もできるようになったしな。
北京五輪調整組のキャンプ地としても、日本は大人気だった。
多分、北京五輪で一番得をしているのは日本だろう。
他人の不幸は蜜の味とはよく言ったもので、不謹慎だが中国が不幸になる事で、日本が恩恵を受けるこの状況下は、正直悪い気はしない。
いや、ホント不謹慎な発言だとは思うんだけどさ。
そんな懸念で、実は海外旅行需要は伸びていた。
だがしかし、ここ最近の原油高で完全に頭打ち。サーチャージ(燃料高騰時の旅行代金追加措置。燃油特別付加運賃の事)だけで渡航費を上回るような状況では、海外旅行の予算が立て辛く、旅行機会自身が萎んでいた。
まあ、実は当方でもシリーズでエントリしているように、原油先物をはじめ、先物商品全般が既に暴落しているので、早晩回復基調に乗ると思われるが…。
まさにその価格のピークが8月にくるとはな。中国当局は夢にも思わなかっただろう。
今年一年を振り返って、中国を襲った様々なネガティブな出来事が全部なかったとしても、このような経済状況では北京五輪ツアーの成功は難しかっただろう。まさに悪魔的タイミングの原油価格ナイアガラであった。
IZA!で、次のような記事が掲載されていた。
■食・騒乱でイメージ悪化 旅行の国内回帰追い打ち
(サンケイビジネスアイ)
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/164795/
当然、中国当局は北京五輪景気を期待していただろう。
しかし、蓋を開けてみれば前年同期比較で6割減という。これは五輪開催月と考えると、壊滅的打撃と見ていい。俺、職業柄、ひとんちの会計システム部門の中身はよく覗いているのだが、前年同期比較で売上高6割減なんて数字は見た事がない。恐るべき数字である。
この記事では、旅行会社が北京五輪パック旅行を売り出してから、中国で起こった様々な事件を時系列で紹介している。
要約すると、以下のような感じ。面白かった。
1月末 中国製冷凍ギョーザ事件発覚。
2月頃 五輪パック旅行発売直後。売上好調。人気種目日程は即日完売。
3月頃 チベットの暴動
エクストリーム聖火リレー
4月 四川大地震
7月 五輪パック旅行が全然売れない。半分近く売れ残る。
1月末の冷凍ギョーザの件も、チベットの暴動の件も、大地震も全て解決していない。単に中国当局が緘口令を布き、有耶無耶にしただけである。有耶無耶に一役かっている日本政府への不信感も、中国へのネガティブなイメージとして変換されている感があり、さらに未解決な印象を深めている。
もう、中国には、頼みの綱は「安さ」しかないのだが、その頼みの綱すら、原油高騰のピークにより絶たれた。これから市場価格の暴落が始まるのに、その事も、日本国内ではほとんど報道されない。
原油がまだ上がるなら、今の方がまだ安かろうという真理の妨げになるからだ。日本のメディアは、出来るだけ中国への痛みを軽減しようと、健気に頑張っている。
そうして、これらの事件と、経済事情にプラスして、まだネガティブ情報がプラスされる。
「安全」に対する懸念である。
霞む大気。飲めば必ず体調不良になる水。メディアがいくら隠蔽しようにも、中国出張の日本ビジネスマンを通じて、ネットで広がるクチコミの公害情報。
おまけに、テロの頻発。かなり情報が規制されているが、貧民層の暴動も絶対に起こっているはずである。なんせ3ヵ月前ぐらいまでは毎日発生していて、常に情報が入ってきていたのだから。
そこから、さらに北京五輪は、中国特有の政治条件が加わる。
例えば、「頑張れ!ニッポン」等の横断幕の禁止。
当局に言わせれば「ありとあらゆるアピールは許さない」のだそうだが、つまりは「フリーチベット」やら「法輪功弾圧反対」やら、そーゆー、数えたらきりがないようなアピールをまとめて粉砕するつもりなのだろう。
これだけ悪条件が揃っていては、俺はむしろ、よく前年同期6割減で済んだなと思う。
現在、北京パック3割引とか、それどこのスーパーやねんとツッコミを入れたくなるような状況らしいが、そこまでしてもきっと売れないんだろうな。
逆に、都内ホテル宿泊プランとか、自宅待機需要は急騰しているようだ。
薄型テレビ周辺とか。某ビデオカードのドライバにパッチを充てたらダビング10(旧コピーワンス)回避もできるようになったしな。
北京五輪調整組のキャンプ地としても、日本は大人気だった。
多分、北京五輪で一番得をしているのは日本だろう。
他人の不幸は蜜の味とはよく言ったもので、不謹慎だが中国が不幸になる事で、日本が恩恵を受けるこの状況下は、正直悪い気はしない。
いや、ホント不謹慎な発言だとは思うんだけどさ。