あるウソつきのブログ

日本の左翼が売国的すぎて、本当の左翼がいない事を嘆く、多分左翼的な人のブログです。

書のグローバル化

2009年02月25日 21時43分53秒 | 国際
 俺も、読売の以下の記事を見て、びっくりしたクチである。なんせ、ウチの親父も、それなりの数の著作物を出している。そのうち話を聞いてみよう。

 【読売】日本の作家びっくり!申請なければ全文が米グーグルDBに

 これは、要するにグーグルが、全書籍のデータベース化を目指していて、アメリカ国内の著作権所持者と訴訟沙汰になっていたのが、昨年和解に達したと。
 で、著作者に相応の報酬を約束する形で、グーグルの書籍デジタル化を容認する事になった。

グーグル「データベースに載っけてほしくなければ申請しろ。ならば削除してやろう。しなければ許可されたものとみなし、データベースに登録する」

 そんな内容だ。これだけ読むと、ホント、ジャイアンじゃの。

 問題になってくるのは、アメリカ以外に住む人々。グーグルのこのサービスは、アメリカ在住の人にしか開放されない。
 さらに、日本文芸家協会の三田誠広副理事長が

「届け出なければ権利が保障されないのはアメリカ的なやり方だ。アメリカで流通していない日本の新刊書がネット上で見られる恐れがある」

 なんて事を言うので、アメリカで販売されていない本は全部、タダでネットに開放されるんじゃ…。という懸念が広がっている。


 えーーーっと。
 そうなの?

 この読売の記事では、

「著作権に関する国際条約「ベルヌ条約」の規定で、加盟国で出版された書籍は、米国内でも著作権が発生するため、影響は世界中に及ぶ」

 と言っているから、当然、ベルヌ条約に縛られる事になるんだが…。
 ベルヌ条約は、第5条2項、「保護国法の原則」で、日本の国内出版物の場合、日本の国内法が優先される。さらに、第5条1項より、著作権使用料は、日本のそれと同額かそれ以上支払わねばならないのだが。

 懸念しているような事は、できないだろ?多分。違うのか?
 まあ、出版対象ではないグレーな同人誌とかはわからないけど、少なくとも、今騒がれている、

・アメリカ人だけ超優遇。
・アメリカの販売網にない日本をはじめ世界各国の新書タダ読みし放題。

 にはならないと思うんだけどなぁ。
 ネットで「ベルヌ条約から離脱国続出」とか騒いでるのも、妙な話だ。ベルヌ条約からの離脱はマイナスにしかならないと思うが…。騒いでる人は、なんか作家にうらみでもある人なんだろうか?

 注意深く経過を見る必要はあると思うけど、単なるグーグルの説明不足だと思う。
 利用者をアメリカ国内に限定するのも、ある意味グーグルの良心なのではないかなと思うんだけどな。こんなのが蔓延すれば、中抜きで儲けている出版業界終わるだろ。被害者を国内限定にすると言う意味で。

 うーん。確かにグーグルのやり方は、なんだかイヤなんだが…。これをやられて作家と読者が被るデメリットが、今のところブックオフとか出版社が商売あがったりになる可能性ぐらいしか思いつかない。
 普通にアメリカで流通してない日本の書籍を勝手にデータベース化して、中身を無料閲覧サービスに組み込んだら、確実にベルヌ条約に触れるよな…。

 ま、P2Pの無限の発達を考えると、デジタル化をしちゃうと、流出はしやすくなるけどな。この場合の責任追及先と不当廉売(ダンピング)の問題はあるか。このへんに注目して、しばらく静観する予定。

 書のグローバル化か…。イヤな響きだねぇ。