オバマ米大統領の最敬礼

　前回、天皇陛下の女系天皇容認問題についてとりあげたからと言うわけじゃないけれど、産経新聞が実にいい写真を掲載しているので、紹介する。

　日本の天皇陛下に対して、最敬礼するアメリカのバラク・Ｈ・オバマ大統領。
　

　なんというか、これを「いい写真だなぁ」と、思ってしまう自分が情けない。
　これが、外交の礼儀上当然の姿なのだ。

　外交の権威としては、ローマ法王と天皇陛下より上の人物はいない。
　昭和天皇の御世では、ローマ方法が訪日した際、自ら皇居に訪問しているし、昭和天皇陛下が訪米した時、当時のフォード大統領は緊張して、天皇陛下と並んで歩く時、右足と右手が同時に出ている写真を撮られている。（軍隊式の歩き方）
　

　天皇陛下のこの権威は、国際外交上非常に重要で。
　キリスト教世界が世界で最も重要であるという、偏ったパワーバランスを調節する唯一の有色人種なのだ。


　繰り返すが、米大統領の最敬礼は当然だ。
　ただ、日本国内に

「何故に天皇陛下如きに天下のアメリカ・オバマ大統領が最敬礼？」

　とか、

「アメリカのオバマ大統領が天皇に最敬礼するのはアメリカの弱体化の象徴」

　とか、アホな事を抜かす人が多い。
　戦後長く続いた、天皇陛下の権威を否定する教育とメディアの方針が問題で…。
　天皇陛下を敬うような発言が、現在にいたってもメディア上でタブーになっているような気がしてならない。森元総理の「神の国」発言とか、大バッシングで潰されたのは記憶にまだ新しい。
　そんな日本のメディアの提供する写真に、こんなのが混じるようになったのは、きっといい事なんだ。日本人の陛下に対する認識を変える一助になればいいな。

　ま、保守の傾向が強い産経新聞だからこそなんだろうけど。
　日本史で教えようよこれ。俺らはなんで、この事を学べないんだろうか。
　で。

　そんな背景があって、俺はこの写真を「いい写真だ」と思いつつ、複雑な心境で見つめるのであった。

　だってなんか俺、米大統領を日本の天皇陛下が平伏させたとか有頂天になってホルホルしているみたいじゃないか。当たり前の事なのに。
　また、俺も日教組教育に毒されているのか、これを「当然の事」と喧伝する気がしない。逆に言えば、米大統領が最敬礼しなければ、「なんて失礼な奴だ」と心中思っているようにとられそうじゃないか。心が狭い。

　蛇足だが、前回のエントリの続き。
　『保守』系政治家って、何を『保守』するかで方針が変わるはずで。
　当然日本の保守政治家は、この天皇制を含む、日本の古き良き伝統を保守したいのではないのかと言いたい。
　人工中絶反対とか、ポルノ規制とか、どうもアメリカのキリスト教社会を守りたいかのような「アメリカの保守」を「保守」と勘違いしているような気がして仕方がない。

　俺は、女系天皇容認も（イヤだけど）アリだと思う。これも時代の流れだろう。後宮もないのだ。男性の跡継ぎだけを後継者とする形は、いずれ破綻すると思う。
　ただ、問題点を理解せずに女系を容認する人が多すぎる。政府でも、マジメに議論されているような気がしない。
　この問題は、そんなに軽い話題ではなかろう。